高山喜六

高山 喜六（たかやま きろく）

高山喜六は、日本の杖術家として知られ、杖術の普及と発展に尽力した人物です。彼は1894年5月3日に福岡県宗像郡勝浦村（現在の福津市）に生まれ、後に武勝という号を名乗りました。彼の師匠である白石範次郎からは神道夢想流杖術を学び、以後、彼自身がこの武道の道を進むこととなります。

経歴と業績

高山は1928年に大日本武徳会杖術錬士之部で精錬士の称号を得て、翌1929年には福岡市に自身の道場である「福岡道場」を設立しました。この道場では、兄弟弟子である清水隆次や乙藤市蔵と共に神道夢想流杖術を広め、指導を行いました。

その活動の一環として、1929年の「第三十三回武徳祭大演武会」では、制剛心照流居合術の演武を行い、武道界での存在感を示しました。また、同年には大日本武徳会捕縄術錬士之部でも精錬士となり、さらなる技量の向上を図ります。

1930年には「明治神宮鎮座十周年祭奉納武道形大会」に参加し、神道夢想流杖術や他流派の武道を演武し、技術の多様性を披露しました。この頃には、福岡道場での教えを通じて新たな弟子たちも育成され、弟子たちの成長が武道界に新たな風を吹き込むこととなります。

特に1933年の「第三十七回武徳祭大演武会」では、神道流剣術を演武し、高山自身の技術がいかに卓越しているかを表現しました。また、武道総合雑誌『信義』の創刊号にも寄稿し、一達流捕縄術や一心流鎖鎌術についての解説を行っており、広くその技術を知らしめました。

最晩年

高山は1935年に大日本武徳会杖術教士之部の教士に昇進します。彼の指導を受けた多くの弟子たちは後に武道界で名を馳せることになり、彼の影響力は計り知れないものでした。

しかし、彼の生涯は1938年4月13日、心臓麻痺によって突然幕を閉じることとなります。その年の4月15日には火葬が行われ、4月19日には福岡市の蓮池善導寺において盛大な葬儀が執り行われました。参列者は400人を超えるほどで、彼の人望と影響力を物語っています。

高山喜六は、杖術の普及に全力を尽くした武道家として、今もなおその功績が称えられる存在です。彼の教えや技術は、跡を継ぐ弟子たちによって受け継がれ、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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