宗像郡

宗像郡の歴史

宗像郡（むなかたぐん）は、古代から存在した筑前国（現在の福岡県）の郡です。その起源は、大化の改新後に宗像大社の神[[郡]]として設置されたことに遡ります。宗像は古くは宗形、胸形とも記され、宗像大社（宗像神社）の所在地として重要視されていました。

古代

宗像郡は、大化から天武天皇期にかけて順次設置されたとされる八神[[郡]]の一つであり、文武天皇2年（698年）には、郡司に近親者の連任を許す詔が出されています。これは、一般に禁じられていた郡司の近親者任命を、宗像郡においては宗像氏が代々神社を祀ってきたという特殊な事情から認められたものです。8世紀には、宗像神社の神官が郡の大領を兼任する制度が設けられましたが、これは延暦19年（800年）に廃止されました。

郡司

郡司とは、郡を治める役人のことです。宗像郡では、上述のように、宗像氏が代々郡司を務めていました。六国史にも、宗像郡の郡司に関する記録が残されています。

郷

『和名類聚抄』には、宗像郡に属する以下の郷が記されています。

秋郷（あきのさと）: 現在の赤間、田久、陵厳寺、石丸、武丸、吉留辺り
山田郷（やまたのさと）: 現在の山田、平等寺、三郎丸、土穴、須恵辺り
怡土郷（いとのさと）: 現在の名残、徳重、冨地原辺り（読みは「とど」との説もある）
荒自郷（あらしのさと）: 現在の在自、津屋崎周辺
野坂郷（のさかのさと）: 現在の野坂周辺
荒木郷（あらきのさと）: 現在の宮若市上有木、下有木（笠松地区）周辺
海部郷（あまのさと）: 現在の鐘崎、上八、岡垣町波津辺り
席内郷（むしろうちのさと）: 現在の筵内など、現在の古賀市、新宮町全域
深田郷（ふかたのさと）: 現在の神湊、深田、牟田尻、江口、池田、田野辺り
蓑生郷（みのうのさと）: 現在の宮司、手光、上西郷辺り
辛家郷（からやのさと）: 現在の宮若市水原周辺
小荒郷（こあれのさと）: 現在の勝浦、津屋崎周辺、または地島との説もある
大荒郷（おおあれのさと）: 現在の勝浦、津屋崎周辺、または大島との説もある
津九郷（つくのさと）: 現在の津丸周辺

式内社

『延喜式』神名帳には、宗像郡に属する式内社が記されています。

明治維新後

町村制以前

明治初年時点では、宗像郡全域が筑前福岡藩領でした。当時の村は60村あり、それぞれが現在の宗像市や福津市の一部にあたります。明治4年（1871年）の廃藩置県により、福岡県の管轄となりました。

郡域

明治11年（1878年）の郡区町村編制法により、行政区画としての宗像郡が発足。郡役所は東郷村に設置されました。当時の郡域は、現在の宗像市と福津市にあたります。

町村制以降

明治22年（1889年）の町村制施行により、宗像郡は17の村に再編されました。その後、合併や町制施行を経て、以下の変遷をたどります。

明治29年（1896年）: 郡制が施行
明治30年（1897年）: 津屋崎村が町制施行し津屋崎町となる
明治31年（1898年）: 赤間村が町制施行し赤間町となる
明治39年（1906年）: 神湊村が町制施行し神湊町となる
明治42年（1909年）: 下西郷村が町制施行・改称し福間町となる
明治42年（1909年）: 津屋崎町・宮地村が合併し、改めて津屋崎町が発足
明治44年（1911年）: 野坂村・宮田村が合併し南郷村が発足
大正12年（1923年）: 郡会が廃止
大正14年（1925年）: 東郷村が町制施行し東郷町となる
大正15年（1926年）: 郡役所が廃止
昭和29年（1954年）: 東郷町・赤間町・南郷村・河東村・吉武村および神興村の一部が合併し宗像町が発足。福間町・上西郷村および神興村の残部が合併し、改めて福間町が発足
昭和30年（1955年）: 津屋崎町・勝浦村が合併し、改めて津屋崎町が発足
昭和30年（1955年）: 神湊町・田島村・池野村・岬村が合併し玄海町が発足
昭和56年（1981年）: 宗像町が市制施行し宗像市となり郡より離脱
平成15年（2003年）: 玄海町が宗像市と合併し、改めて宗像市が発足
平成17年（2005年）: 福間町・津屋崎町が合併し福津市となり、郡より離脱
平成17年（2005年）: 大島村が宗像市に編入され、宗像郡が消滅

変遷表

詳細は変遷表を参照してください。

行政

歴代の郡長については、参考文献等をご参照ください。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 40 福岡県、角川書店、1988年2月1日。ISBN 4040014006。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧

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