高崎正風

高崎 正風について

高崎正風（たかさき まさかぜ、1836年9月8日 - 1912年2月28日）は、日本の歴史に名を刻む武士であり官僚、政治家、そして歌人・作詞家でもあります。通称は左太郎で、他にも伊勢、左京、豊麿といった名前を持ち、号は宝義堂です。彼の長男元彦は日露戦争で戦死し、その後も正光、正人が続く家系となりました。

高崎氏の起源

高崎家は、豊後大友氏の一族に端を発し、庶子の高崎忠能を祖とする氏族です。大友氏の姫君が島津氏に嫁ぐ際、御付きとして薩摩に訪れたことが高崎家の始まりとされています。それ以降、高崎氏は薩摩藩の歴代当主に仕えました。

生い立ちと初期の経歴

高崎正風は薩摩国鹿児島郡の川上村（現在の鹿児島市川上町）に生まれました。薩摩藩士である父高崎五郎右衛門温恭と、母の登米子から育てられました。彼は幼少のころの名を左太郎とされていましたが、父の切腹に伴い嘉永2年（1849年）に奄美大島に流刑されるという波乱の人生が始まります。

嘉永5年（1852年）に帰郷したものの士分復籍が許されないため、鶴園親義という名で歌を詠む傍ら、若松則文の門下生となりました。やがて八田知紀にその才能を見出され弟子としての道を進みます。

政治家としての活動

文久元年（1861年）、高崎氏は父との名乗りを名乗ることが許され、家督相続が認められました。同時期、島津久光の命により京都に上京し、尊王攘夷派の暴挙に立ち向かう役割を果たしました。彼は寺田屋騒動において重要な役割を担い、久光からの信任を受けて諸藩との交渉にも関与し、その後も多くの役職を経験しました。

薩英戦争では伝令官としての務めを果たし、重要な政治的変革に関与しました。八月十八日の政変では、薩摩藩の力を結集させるために尽力し、京都留守居役に任命されました。

後半生と音楽活動

その後高崎は豊麿と名を改め、明治時代に新政府に仕官しました。彼は欧州視察を経て、宮中の侍従や御歌掛として活動。歌人としても多くの和歌を撰し、明治23年には国学院初代院長に就任しました。数々の和歌に携わり、「紀元節」や「勧学の歌」などの作詞を手がけました。

高崎家の後継者と栄誉

親族においては、彼の長男元彦は海軍軍人として名を馳せ、次男益彦は宮内官僚として活躍しました。高崎正風自身も多くの名誉を受けた人物であり、サンフランシスコ平和条約などの重要な場面にも関与しました。

彼は1912年に75歳で亡くなり、青山霊園に埋葬されています。明治時代における政治や文化の変革に貢献した高崎正風の存在は、今でも多くの人々に記憶されています。

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