高崎電気館

高崎電気館：歴史と文化を紡ぐ映画館

高崎電気館は、群馬県高崎市にかつて存在した映画館であり、現在は地域活性化センターとして新たな役割を担っています。その歴史は、高崎の文化、映画の歴史と深く結びついています。

開館と発展

1913年1月1日、高崎市初の常設映画館として電気館が開館しました。当時の高崎では、明治時代から映画が上映されていましたが、常設館の建設は大正時代に入ってからのことでした。広瀬保治によって開館された電気館は、当初、東京の福宝堂からのみ配給を受けていましたが、後に日活の専門館となりました。

電気館は連日満員となるほどの人気を博し、近隣には世界館、富士館、高崎劇場などの常設映画館が次々と開館しました。当時、映画は「活動写真」と呼ばれ、サイレント映画に活動弁士がセリフを付け、楽隊が音楽を奏でるというスタイルが一般的でした。

1929年8月、電気館は火災により焼失しましたが、同年12月には鉄筋コンクリート造3階建として再建されました。この再建された建物は、天井にステンドグラスがはめ込まれるなど、当時の人々を驚かせました。

戦後の復興と映画の隆盛

太平洋戦争中も戦災を免れた電気館は、終戦からわずか一週間後には興行を再開しました。戦後の混乱期においても、映画は人々の娯楽として重要な役割を果たし、電気館も多くの観客で賑わいました。

1966年12月には、鉄筋コンクリート造地下1階・地上4階の現在の建物が新築され、高崎大映電気館に名称を変更しました。座席数は473席に縮小されましたが、高い天井高やスタジアム形式の座席配置などが話題となりました。

閉館、そして再開へ

1971年には大映が倒産したため松竹の専属館となり、高崎松竹電気館に名称を変更しました。1989年には高崎電気館に名称を戻し、洋画専門館として運営されましたが、2001年に閉館となりました。

しかし、2014年には高崎市地域活性化センターとして再開館し、新たなスタートを切りました。映画館としての機能も残されており、NPO法人コミュニティシネマたかさきによって運営されています。

現在の活動

高崎電気館では、映画上映のほか、集会室や研修室の提供など、地域住民の交流拠点としての役割も担っています。また、高崎映画祭のプレイベントや、映画監督を招いた上映会なども開催され、映画文化の振興にも貢献しています。

高崎電気館は、その長い歴史の中で、映画館としてだけでなく、地域の文化を支える存在として、多くの人々に愛されてきました。再開館後も、その精神は受け継がれ、新たな形で地域に貢献しています。

高崎電気館は、高崎の歴史と文化を語る上で欠かせない存在であり、これからも地域とともに歩み続けるでしょう。

所在地
群馬県高崎市柳川町31

アクセス
JR東日本高崎駅から徒歩15分

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