高嶺御殿

高嶺御殿（たかみねうどぅん）

高嶺御殿は、琉球王国の第二尚氏の分家にあたる王族です。その歴史は、尚豊王の長女である浦添翁主（うらそえおうしゅ、1629年 - 1646年）に始まります。

概要

浦添翁主は、本来王位を継ぐはずであった尚豊王の長男・朝良（ちょうりょう）の娘でしたが、朝良が若くして亡くなったため、王位を継ぐことはありませんでした。しかし、彼女は父が治めていた浦添間切（現在の浦添市）を継承し、高嶺御殿の初代となりました。その後、小禄御殿の支流である向氏内間殿内の勝連按司朝賢（かつれんあじちょうけん）に嫁ぎ、長男の朝式（ちょうしき）を出産しますが、そのわずか2週間後に亡くなりました。高嶺御殿は、その後朝式が継承しました。

朝式は、尚質王の三女である与那嶺翁主（よなみねおうしゅ）を妻に迎えましたが、二人の間に男子は生まれませんでした。そのため、朝式は本部御殿の朝卓（ちょうたく）を娘の思亀樽金（うみかめたるがね）の婿養子として迎え、家督を継がせました。

五世の朝兼（ちょうけん）の時代に、高嶺御殿は高嶺間切（現在の糸満市高嶺地区）に転任し、それ以降、高嶺御殿と称されるようになりました。

六世の朝京（ちょうけい）の長女である真鍋樽金（まなびたるがね）は、尚哲王の妃となっています。

琉球王国が廃藩置県によって解体された後も、高嶺御殿の家系は続いています。十一世の朝教（ちょうきょう）は沖縄銀行の初代頭取を務め、十二世の朝光（ちょうこう）は沖縄タイムスの社長に就任するなど、沖縄の社会に大きな貢献を果たしました。

系譜

一世：浦添翁主（うらそえおうしゅ）
二世：浦添按司朝式（うらそえあじちょうしき）（母・浦添翁主の家統を継ぐ）
三世：浦添按司朝卓（うらそえあじちょうたく）（本部御殿一世・本部王子朝平の次男。朝式の養子となる）
四世：浦添按司朝基（うらそえあじちょうき）
五世：高嶺按司朝兼（たかみねあじちょうけん）
六世：高嶺按司朝京（たかみねあじちょうけい）
七世：高嶺按司朝庸（たかみねあじちょうよう）
八世：高嶺按司朝用（たかみねあじちょうよう）
九世：高嶺按司朝義（たかみねあじちょうぎ）
十世：高嶺按司朝長（たかみねあじちょうちょう）
十一世：高嶺朝教（たかみねちょうきょう）
十二世：高嶺朝光（たかみねちょうこう）

参考文献

沖縄県氏姓家系大辞典 編纂委員会『沖縄県氏姓家系大辞典』角川書店、1992年
宮里朝光（監修）、那覇出版社（編集）『沖縄門中大事典』那覇出版社、1998年
比嘉朝進『士族門中家譜』球陽出版、2005年

外部リンク

向姓家譜（高嶺家）

関連項目

按司
御殿 (沖縄)

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