杉内雅男

杉内雅男：囲碁の神様の生涯

杉内雅男（すぎうち まさお）は、大正9年（1920年）に宮崎県で生まれ、平成29年（2017年）に97歳で亡くなった囲碁棋士です。その80年を超える現役生活と、囲碁へのひたむきな姿勢から「囲碁の神様」と呼ばれました。本記事では、杉内雅男の生涯と功績を詳しく解説します。

棋士としての歩み

杉内雅男は、幼少の頃から囲碁に親しみ、その才能を開花させました。昭和12年（1937年）に井上一郎五段に入門し、日本棋院院生となります。戦時中には召集を受けましたが、復員後すぐに囲碁界に復帰。

戦後の囲碁界を牽引する存在として活躍し、1959年に日本棋院早碁名人戦で初タイトルを獲得。1963年には囲碁選手権戦でも優勝を果たしました。その後も、本因坊戦挑戦2回、最高位戦準優勝など、数々の実績を残しています。

特筆すべきは、その現役生活の長さです。90歳を超えても年間数勝を挙げ、97歳で亡くなる直前まで対局を続けていました。その棋力は晩年まで衰えることなく、多くの棋士に影響を与えました。

杉内雅男を語るエピソード

杉内雅男は、院生師範としても多くの棋士を育てました。遅刻や対局態度に厳しかった一方で、その指導を受けた棋士たちは、杉内の教えを胸に活躍しました。また、寡黙な人柄としても知られ、対局中はほとんど言葉を発しなかったというエピソードも残っています。

趣味はクラシック音楽鑑賞と読書で、特にマリア・カラスのファンでした。囲碁以外の分野にも造詣が深く、その豊かな人間性が囲碁にも良い影響を与えていたのかもしれません。

タイトル歴と功績

タイトル歴

早碁名人戦 (1959年)
囲碁選手権 (1963年)

その他の棋歴

本因坊戦 挑戦者 (1954年、1958年)
日本棋院選手権 挑戦者 (1955年、1956年)
最高位決定戦 準優勝 (1955年)
天元戦 準優勝 (1976年)
NHK杯 準優勝 (1982年)
名人戦リーグ5期、本因坊戦リーグ7期

功績

日本棋院常務理事、副理事長などを歴任し、囲碁界の発展に貢献
名人戦の読売新聞から朝日新聞への移管、棋聖戦創設を主導
* 勲四等旭日小綬章受章、大倉喜七郎賞受賞

まとめ

杉内雅男は、その長い現役生活と、囲碁への情熱によって「囲碁の神様」と呼ばれるようになりました。多くの棋士を育て、囲碁界の発展に貢献したその功績は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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