高座結御子神社

高座結御子神社の概要

高座結御子神社（たかくらむすびみこじんじゃ）は、愛知県名古屋市熱田区高蔵町に位置する神社です。この神社は、式内社であり、熱田神宮の境外摂社としても知られています。高座結御子神社は、尾張の祖神を祀っており、高蔵地域の鎮守神として、さらには産土神として地元の人々に深く信仰されています。地元では「高座さま」と親しまれ、地域の人々の心の拠り所となっています。

祭神

高座結御子神社に祀られている祭神は、高倉下命（たかくらじのみこと）です。高倉下命は『延喜式』神名帳では単独の祭神として記載されていますが、『続日本後紀』では日割御子神や孫若御子神とともに「熱田大神御児神」として明記されており、熱田神宮と深い関係があるとされています。高倉下命は尾張氏の祖神や仲哀天皇、成務天皇に関連する神として知られています。

歴史

創建

高座結御子神社の創建時期は不明ですが、伝承によれば天武天皇の御世（673年 - 686年）または熱田神宮本宮とほぼ同時期であるとされています。熱田神宮の境外摂社に関連する説は、古墳時代の尾張諸勢力の分布と関係があると指摘されています。熱田台地の主な勢力が周辺の神社を吸収し、高座結御子神社が熱田神宮の神統譜に組み込まれたとされ、特に高座結御子神社周辺には高蔵遺跡と呼ばれる文化財があります。この遺跡は弥生時代から古墳時代にかけての重要なものであり、全国的にその重要性が認識されています。

概史

国史によると、『続日本後紀』の承和2年（836年）の記述では、高座結御子神社は名神に列されています。また、927年に成立した『延喜式』神名帳でも名神大社として記載されています。さらに、『尾張国内神名帳』においては「高蔵名神」としても知られています。1571年には織田信長からの寄進があり、江戸時代にも修理が行われるなど、歴史的な重要性を持っています。社殿は尾張造の丹塗りであることが特徴ですが、1945年の戦災により大部分が焼失し、1963年に再建されました。

神階

神社の神階に関する記録は、承和2年に名神に列されるなど、歴史においても重要な位置を占めています。高座結御子神社は、正二位、または正二位上、または従二位という位階が記録されています。

摂末社

神社境内には、次の4つの末社があります。

• - 鉾取社 - 祭神：鉾取神
• - 新宮社 - 祭神：素盞嗚尊
• - 御井社 - 祭神：御井神
• - 稲荷社 - 祭神：宇迦之御魂神

稲荷社は、豊臣秀吉の母が幼少の秀吉を連れて立身出世を祈ったことから「太閤出世稲荷」とも呼ばれています。

祭事

高座結御子神社では、いくつかの祭事が行われています。

• - 稲荷社祭（初午の日）
• - 春季大祭（旧初午の日）
• - 子預祭（4月3日）：幼児の成長を祈願し、無事に育った際にお礼参りを行う風習があります。
• - 例祭（6月1日）
• - 御井祭（土用入の日）：この日は御井社の井戸を子どもが覗くことで虫封じの御利益があると信じられています。
• - 秋季大祭（11月8日）

現地情報

所在地

愛知県名古屋市熱田区高蔵町9-9

交通アクセス

名古屋市営地下鉄名城線の西高蔵駅から徒歩約5分です。

高座結御子神社は地域の人々にとって大切な信仰の場であり、その歴史と文化は今日でも息づいています。

もう一度検索