高木和弘

高木 和弘（たかぎ かずひろ）は、1972年10月27日に大阪府で生まれたヴァイオリン奏者です。

音楽の道は6歳でヴァイオリンを始めたことに始まります。大阪府立北野高等学校を卒業後、1991年には第2回京都フランス音楽アカデミーに参加し、ドゥカン氏に師事。その後、リヨン国立高等音楽院へ進学し、森悠子氏、エドワード・ウルフソン氏のもとで学びを深めました。さらに、南メソディスト大学でも研鑽を積み、エドワード・シュミーダ氏に師事するなど、国内外で高度な教育を受けました。

その才能はコンクールにおいても高く評価されています。1997年には権威あるエリザベート王妃国際音楽コンクールに入賞し、同年、京都青山音楽記念館より青山賞が贈られました。1998年には第54回ジュネーヴ国際音楽コンクールで第3位に入賞。フォーバルスカラシップ・ストラディヴァリウス・コンクールでも3位を獲得するなど、主要なコンクールで優れた成績を残しました。また、室内楽でも実績があり、2001年には、自身が第1ヴァイオリンを担当するEusia弦楽四重奏団としてフィショッフ室内楽コンクールに出場し、第1位に輝いています。

留学経験も長く、2000年9月からは文化庁の派遣芸術家在外研修員としてシカゴ芸術大学へ留学しました。滞在中の2001年から2002年度にかけては、シカゴ・シビック・オーケストラでコンサートマスターを務めました。その後はドイツに活躍の場を移し、2002年11月から2006年2月までの期間、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターとしてオーケストラを牽引するなど、海外の主要オーケストラで重要なポジションを歴任しました。

帰国後も、日本のオーケストラ界で中心的な役割を果たしています。2007年から2012年まで東京交響楽団のコンサートマスターを、2006年から2013年まで山形交響楽団のソロ・コンサートマスターを務め、それぞれの楽団の演奏を支えました。現在も、神戸市室内管弦楽団の首席コンサートマスターを務めているほか、長岡京室内アンサンブル、いずみシンフォニエッタ大阪、Eusia弦楽四重奏団のメンバーとしても活動しており、多方面でそのヴァイオリンの音色を響かせています。

クラシック音楽の演奏に加え、ジャンルを超えた活動にも意欲的に取り組んでいます。DJ YOKU率いる「A HUNDRED BIRDS」のメンバーや、ロッテルダムを拠点とするタンゴバンド「タンゲロス・ポラレス・コン・フェルヴェルデ」にも参加。様々な音楽家との共演を通じて、自身の芸術性をさらに広げています。これらの幅広い活動と功績に対し、2005年には文化庁芸術祭新人賞、大阪文化祭大賞が贈られています。

国内外での豊富な経験と確かな技術、そしてジャンルを問わない探求心を持つ高木和弘氏は、ヴァイオリン奏者として日本の音楽シーンにおいて独自の存在感を示し続けています。

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