高木常七

高木常七について

高木常七（たかぎ つねしち）1883年生まれ、1975年に亡くなった日本の裁判官であり、最高裁判所の判事として知られています。富山県出身で、彼は法曹界において多くの重要な職務を歴任しました。本記事では彼の軌跡と業績について詳しく解説します。

学歴と初期キャリア

高木常七は富山中学校を卒業後、1916年に早稲田大学法科を修了しました。大学卒業後は、1917年に検事として法曹キャリアをスタートさせました。しかし、彼は6年後の1923年に弁護士に転身します。この時期、彼は法律の実務経験を積むことで、法廷での仕事に対する理解を深めました。

法曹一元制度への関与

1946年、高木は法曹一元制度を推進すべく岩田宙造司法大臣に招聘され、静岡地方裁判所の所長に就任します。この決定は彼のキャリアに新たな道を開き、より大規模な司法の運営に関与する機会を与えました。その後、横浜地裁所長、東京家庭裁判所初代所長、札幌高等裁判所長官、広島高等裁判所長官、名古屋高等裁判所長官を歴任し、各地で多くの裁判に携わりました。

最高裁判所での活動

1958年に高木は最高裁判所の裁判官に任命されます。この役職では、多くの重要な判決に関与することとなり、その中でも特に八海事件の第二次上告審が知られています。この事件では、有罪説を支持する多数意見に対し、高木は無罪説を支持する少数意見を表明しました。この判断は彼の法的観点の一例であり、法曹界における議論を呼び起こしました。

法曹一元化に対する信念

高木は自身の経験を元に、法曹三者（裁判官、検察官、弁護士）を全て経験したからこそ、法曹一元化の必要性を主張しました。彼は「裁判官や検察官は弁護士から任命されるべきだ」とし、人生の辛酸をなめた人間が持つ経験が、質の高い捜査や裁判を可能にすると考えていました。彼のこの視点は、法曹界における重要な議論の一部となっています。

最晩年と死去

高木常七は1963年3月に定年を迎えますが、その後も彼の考えや意見は多くの法曹関係者に影響を与え続けました。1975年の8月15日、彼は老衰により82歳で亡くなります。彼の死去は、日本の司法界における一つの時代の終焉を意味するものであり、その業績は今日においても評価されています。

参考文献

• - 野村二郎『最高裁全裁判官：人と判決』三省堂、1986年。
• - 野村二郎『日本の裁判史を読む事典』自由国民社、2004年。

もう一度検索