岩田宙造

岩田宙造の生涯と業績

岩田宙造（いわた ちゅうぞう）は、1875年4月7日に山口県熊毛郡立野村（現在の光市）で生を受けました。彼は樋山彦七の二男として誕生し、後に養子となった岩田金蔵のもとで成長します。樋山家は江戸時代から庄屋を世代を超えて務めており、岩田もその影響を受けたことでしょう。

教育と弁護士としてのスタート

彼は1898年に東京帝国大学法科大学法律学科を卒業し、当時の高度な法学教育を受けました。その後、1901年には東京日日新聞社に入社しますが、翌年には弁護士として独立し、東京築地に「岩田宙造法律事務所」を設立しました。この事務所は今も「岩田合同法律事務所」として存在しています。

顧問弁護士としての活動

岩田は、宮内省や日本銀行、日本郵船、東京海上火災、三菱銀行などの顧問弁護士としても活躍しました。彼の豊富な知識と経験は、多くの企業や機関において高く評価されました。

政治家としての道

1931年には貴族院の勅選議員として任命され、内閣顧問や行政査察使も同時に務めるなど、政治的な影響力も持ち始めました。1945年には東久邇宮内閣で司法大臣に就任し、幣原内閣ではその地位を維持しました。この時期には、大審院長や検事総長を選任する重要な立場にありました。

公職追放と復帰

しかし1946年に公職追放されるという厳しい局面も迎えます。その後、1953年に追放が解除され、彼は再び活躍の場を得ました。同年には日本弁護士連合会の会長に就任し、法曹界における指導的立場を確保しました。

記憶に残る功績

1958年には学士会の理事長に就任し、1961年には国民政治協会の前身である国民協会の初代会長に任命されました。これにより、彼は日本の政治と法律の発展に寄与しました。彼の影響はまだ現在に及んでいます。

最期とその後

岩田は1966年2月22日に亡くなりましたが、彼の遺産は多くの人々によって受け継がれています。墓所は多磨霊園にあり、多くの人々が彼の業績を追憶しています。

家族の紹介

岩田宙造の家族には妻の華奈子、長男の岩田永俊（実業家）、二男の岩田健次郎（実業家）がいます。二男の妻である幸子は官僚の阪本釤之助の娘であり、阪本は作家・永井荷風の叔父に当たります。

栄典と表彰

岩田は1940年には紀元二千六百年祝典記念章を受章するなど、国家からの評価も受けています。法曹界や政治界において彼が果たした役割は多岐にわたり、その功績は忘れ去られることはないでしょう。

このように、岩田宙造は法律、政治、実業において多大な影響を与えた人物であり、今でも多くの教訓を残しています。

もう一度検索