高枝王

高枝王について

高枝王（たかえのう）は、平安時代初期に活躍した皇族です。彼は桓武天皇の孫であり、中務卿・伊予親王の第二の子です。彼の官位は従三位、さらには宮内卿を務めました。

経歴

高枝王は延暦21年（802年）に生まれました。大同2年（807年）には、彼の父親である伊予親王が起こした変により、父と共に罪を被って遠流されることとなります。この事件は、高枝王にとって人生の大きな転機となりました。配流先での生活は厳しく、経済的にも困難を極めていました。

しかし、嵯峨天皇が伊予親王の無実を見抜き、高枝王を含む兄弟たちに恩赦を与えることで、弘仁元年（810年）に平安京へ戻ることが許されました。この際、彼らの親王に属する財産も返還されましたが、幼少の兄弟たちはその財産を公平に分配しました。この出来事は、多くの人々の感動を呼び寄せたと伝えられています。

その後、高枝王は淳和天皇の時代において、天長3年（826年）に無位から従四位下へと昇進しました。続く承和の時代には、承和8年（841年）に従四位上、嘉祥2年（849年）には正四位下と、順調に昇進を果たしました。仁徳朝の仁寿4年（854年）には従三位・大蔵卿に叙任され、公卿としての地位を確立しました。その後、天安元年（857年）には宮内卿に任じられましたが、天安2年（858年）に55歳で亡くなります。彼の最終官位は宮内卿従三位でした。

人物像

高枝王はその度量の広さで知られていました。また、彼は書道を空海から学び、琴を沙良真熊から学びましたが、残念ながらそれらの技術を完全には習得することはできませんでした。それでも、彼の学びへの意欲は、彼の人物像を豊かにしています。

官歴

高枝王の官歴は、以下の通りです：

• - 天長3年（826年） 正月7日：従四位下（直叙）
• - 天長10年（833年） 3月5日：見因幡守
• - 承和7年（840年） 10月16日：大舎人頭
• - 承和8年（841年） 11月20日：従四位上
• - 嘉祥2年（849年） 正月7日：正四位下
• - 嘉祥3年（850年） 3月27日：見大舎人頭兼越前権守
• - 嘉祥4年（851年） 2月21日：兼越前権守。4月1日：出居侍従
• - 仁寿4年（854年） 正月7日：従三位。8月28日：大蔵卿
• - 天安元年（857年） 6月19日：宮内卿
• - 天安2年（858年） 5月15日：薨去（宮内卿従三位）

高枝王は、自らの財産を蓄えることなく、質素な葬儀を望むという遺言を残しました。彼の生涯は、苦難に満ちながらも、広い心と高い志を持った皇族として記憶されています。

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