高校聖夫婦

高校聖夫婦

『高校聖夫婦』は1983年4月から9月まで、TBS系列で放送された学園ドラマである。この作品は1980年代に流行した大映ドラマの初期の一つとして知られており、伊藤麻衣子（現在のいとうまい子）のテレビドラマデビュー作でもある。

ストーリーの概要

物語は、主人公の安西俊と上条典子が高校3年生として同じ学校に通うところから始まる。俊は早くに両親を事故で失い、現在は姉と二人三脚で生活を支え合っている。野球部に所属する俊は、甲子園への出場を目指して練習に励む日々を送っていた。しかし、彼の人生は突然の変化を迎える。姉がアメリカ人男性と結婚し、アメリカに引っ越すことが決まったため、俊は一人残されることを不安に思い、彼女を一緒に連れて行くよう懇願する。そこで、彼は校内での評判を保つため、自分の恋人が典子であると偽ることを決意する。

一方、典子もまた、自身の家庭事情に悩んでいた。父親が若い女性と再婚し、その結果として家を出たいと強く願っていた。二人のお互いの状況が重なる中、俊と典子は「バレなければ大丈夫」という気持ちで偽の恋人関係を装うことにした。こうして、俊の家で共同生活を始めることとなる。

最初はあくまで形だけの結婚だったが、二人は共に困難に立ち向かう中で次第に本当の愛情を育てていく。そして、さまざまな経験を共有することで、徐々にお互いに対する信頼と愛情が深まっていく様子が描かれる。やがて、彼らの間には単なる偽装以上の絆が生まれていく。

登場人物

作品には多彩なキャラクターが登場する。俊を演じるのは鶴見辰吾、典子役には伊藤麻衣子が起用されている。彼らの家庭や友人たちも物語に重要な役割を果たす。特に、俊の姉、安西泰子（五十嵐めぐみ）、典子の父上条隼雄（名古屋章）、友人の杉田あゆみ（伊藤かずえ）や高島次郎（佐藤吉郎）らがそれぞれの視点で物語を彩る。

スタッフについて

『高校聖夫婦』の原作は佐々木守による「中学生共和国」で、脚本には彼自身をはじめとする数人の作家が名を連ねている。プロデューサーは春日千春、荒川洋、野村清、監督には土屋統吾郎や竹本弘一らが参加している。音楽は坂田晃一が担当し、主題歌には高田みづえの「純愛さがし」が使用された。

まとめ

『高校聖夫婦』は、ただの学園ドラマに留まらず、青春の葛藤や成長を深く探求した作品である。新たな環境での困難や友情、愛情の変化が描かれ、視聴者に感動を与え続けている。

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