高根城 (浜松市)

高根城

高根城は、静岡県浜松市天竜区水窪町地頭方にあった日本の山城です。遠江国と信濃国の国境近く、標高420mの久頭合の山頂に位置し、両国を結ぶ秋葉街道を見下ろす要衝でした。河内川が水窪川に合流する地点を天然の堀として利用した、堅固な城郭でした。

歴史

1414年、後醍醐天皇の孫である尹良親王を守るため、地元の豪族・奥山金吾正定則によって築城されました。水窪川の対岸には、親王のための仮宮も設けられました。戦国時代には、駿河今川氏の支配下に入りますが、今川氏の衰退とともに、武田信玄の遠江侵攻に巻き込まれることになります。

1569年、城主・奥山民部少輔貞益の時代に、姻戚関係にあった信州遠山氏の攻撃を受け、落城しました。その後、武田氏によって改修され、1572年の遠江侵攻の際には武田軍の拠点となりました。しかし、長篠の戦い後、武田氏が遠江から撤退したことで、高根城は廃城となりました。

現在の様子

2001年には、本曲輪部分に井楼櫓、主殿、城門などが復元され、武田氏時代の山城の様子を現代に伝えています。浜松市水窪民俗資料館には、高根城に関する展示があり、その歴史を深く知ることができます。

その他

高根城には、遠州七不思議の一つとして知られる「池の平の幻の池」伝説が残っています。これは、高根城落城の際に殺された城主の妻の涙が湧き出てできたとされる池で、7年に一度だけ出現すると伝えられています。

アクセス

JR飯田線向市場駅から南西へ徒歩約20分でアクセスできます。

参考文献

浜松市公式ホームページ「はままつの文化財・高根城跡」
ウィキメディア・コモンズには、高根城に関するカテゴリがあります。

高根城は、その歴史と立地から、戦国時代の山城の姿を今に伝える貴重な史跡です。周辺の自然と合わせて、歴史散策を楽しむことができます。

もう一度検索