高森町立高森南小学校

高森町立高森南小学校は、長野県下伊那郡高森町にある町立小学校です。2020年度には26学級、663人の児童が在籍し、学校図書館には12,213冊の蔵書があります。卒業生は高森町立高森中学校に進学します。

沿革

開校

1873年（明治6年）に学制に基づき、市田村に訓蒙小校など5校が設置されました。訓蒙小校は1875年（明治8年）に下市田学校と改称し、同年11月に新校舎が完成しました。しかし、1886年（明治19年）3月に校舎が焼失したため、1887年（明治20年）10月17日に校舎建設の申請を行い、建設を開始しました。

3校制時代

1889年（明治22年）の町村制施行により、下伊那郡市田村は一村一校制となり、吉田学校を本校、下市田学校を支校としました。しかし、牛牧地区の通学距離が長くなることから反対があり、3校制が決定しました。1892年（明治25年）には、下市田支校を含む吉田学校が市田尋常小学校（下市田）、吉田尋常小学校、市田西部尋常小学校（牛牧）の3校に分かれました。1893年（明治26年）には、市田西部尋常小学校が牛巻尋常小学校に、市田尋常小学校が下市田尋常小学校に改称しました。

1915年（大正4年）には、3校が形式的に統合され、市田尋常高等小学校となりました。学区が広く児童数も多かったため、下市田、吉田、牛牧に部校が置かれました。

唐沢原時代（1931年-）

1931年（昭和6年）に3校が再統合され、現在の唐沢原（下市田2228番地）に移転しました。この際、校地を囲むようにソメイヨシノが植えられました。校地造成時には弥生時代の竪穴建物群が発掘され、唐沢原遺跡と名付けられました。また、唐沢原古墳群も発掘されましたが、猿楽塚（唐沢原1号墳）以外は破壊または埋没しています。

1940年（昭和15年）には、下総皖一作曲、北原痴山作詞による校歌が制定されました。校歌には松岡城、赤石山、天竜川などが歌われています。1941年（昭和16年）には市田国民学校、1947年（昭和22年）には市田村立市田小学校と改称し、1957年（昭和32年）に高森町の発足に伴い、高森町立高森南小学校となりました。

校地

「日本一の学校桜」

高台に位置する校地からは伊那谷や集落を一望できます。校庭の周りには数十本のソメイヨシノが植えられており、「高森南小学校といえば桜の学校」として地域住民に親しまれています。高森南小学校のソメイヨシノは、学校だけでなく高森町のシンボルともなっています。1985年（昭和60年）には日本さくらの会から「さくら功労者」として表彰され、その際に「日本一の学校桜」という愛称が与えられたとされています。1962年（昭和37年）からは、桜の開花時期に全校児童が桜の下で給食を食べる「お花見給食」が行われています。夜には、児童たちが作った明かりを灯すキャンドルナイトも開催されます。

歴史

1931年（昭和6年）に現在の校地に移転した際にソメイヨシノが植えられました。当初は南側に11本、1933年（昭和8年）には北側に9本が植えられ、その後33本が追加で植樹され、合計53本のソメイヨシノが植えられています。2006年（平成18年）3月7日には、「高森南小学校のソメイヨシノ」が高森町登録文化財に登録されました。2011年（平成23年）の台風で1本が倒れましたが、校長が「奇跡の桜」と名付け、樹木医によって保護されました。翌年2012年（平成24年）4月には他の桜よりも早く開花しました。一般的にソメイヨシノの寿命は50～60年とされていますが、2022年（令和4年）時点で約90年が経過しています。

市田柿

高森町の特産品である市田柿について、4年生は郷土学習で学びます。また、市田柿の商品化に貢献した上沼正雄氏についても学習します。学校敷地内には11本の柿の木が植えられており、4年生は毎年1000個以上の柿を収穫し、市田柿の生産作業を体験します。

唐沢原遺跡

縄文時代から弥生時代の集落遺跡である唐沢原遺跡の約半分が、高森南小学校の校地となっています。

学区内にある施設

高森町役場
高森町立図書館
高森町立体育館

脚注

注釈

出典

参考文献

林登美人「木曽亀こと坂田亀吉の建築を追う」『伊那』第55巻第2号、2007年2月1日。

高森町立高森南小学校