高槻市歌

高槻市歌

「高槻市歌」（たかつきしか）は、日本の大阪府高槻市が正式に定めている自治体歌です。この市歌は、戦後復興が進むさなかの1947年（昭和22年）に、市民からの懸賞募集という形式で歌詞と曲が公募され、同年10月15日をもって制定されました。

歌詞の作者である芳賀 武（難波春水）は、高槻市歌の募集が行われた前月に、鹿児島県川内市（現在の薩摩川内市）で制定された「川内市民歌」（作曲：山田耕筰）の懸賞募集にも入選しています。しかし、高槻市での入選が決定したのとほぼ同時期に、わずか32歳という若さでこの世を去りました。その才能が惜しまれる人物です。

一方、作曲を手掛けた西川 得了は、高槻市内に居住する音楽科の専任教員でした。彼は後に、市立第十中学校や、かつて存在した旧庄所小学校の校歌なども作曲しており、地域の教育や文化に深く関わっていたことがうかがえます。

この市歌の歌詞は、著作権法の保護期間が1997年（平成9年）末に満了しています。これにより、歌詞の利用に関する制約はなくなりました。

高槻市では、1970年代頃から市歌の普及に努めてきました。教育委員会の主導により、アテネレコード工業に製造を委託し、「高槻市子供会の歌」とカップリングしたソノシートを作成・配布しました。現在でも、文化の日記念式典や成人式といった市の公式行事において、市歌が演奏される機会があります。しかし、市の公式サイト上で広く紹介されているわけではなく、その存在は主に市の例規集に掲載されていることで確認できます。

高槻市に関連する楽曲は市歌だけではありません。例えば、1993年（平成5年）に市制50周年を記念して作られた市民愛唱歌「卯の花のように」や、市のマスコットキャラクター「はにたん」のテーマソングとして2013年（平成25年）に誕生した「テケテケはにたん」などがあります。これらは市民に親しまれる楽曲として、市歌とは異なる性格を持っていますが、高槻市の文化を彩る一部となっています。

参考文献

坂 道夫「大阪府下各市の市歌」（『大阪春秋』第38号、1983年）
中山 裕一郎 監修『全国 都道府県の歌・市の歌』（東京堂出版、2012年）

関連項目

* 大阪府の市町村歌一覧

もう一度検索