高橋三郎 (内務官僚)

高橋三郎は、1899年（明治32年）に宮城県で生まれ、1985年（昭和60年）に没した、内務・警察官僚、そして実業家です。彼は、高知県知事や東北放送会長といった要職を歴任し、その生涯は日本の近代史と深く関わっています。

生い立ちと官僚への道
高橋は、高橋珍平の三男として生まれました。第二高等学校を卒業後、1923年（大正12年）に高等試験行政科に合格し、翌1924年（大正13年）には東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。その後、内務省に入省し、静岡県属としてキャリアをスタートさせました。その後、鹿児島県警察部保安課長、茨城県警視、静岡県警視、埼玉県警視といった警察関係の要職を歴任し、着実に官僚としての地位を築いていきました。

戦時下の高知県知事として
1943年（昭和18年）7月、高橋は高知県知事に就任しました。当時、日本は第二次世界大戦の渦中にあり、高橋は戦時下の対応に奔走しました。特に、金属供出が求められる中で、高知城公園の板垣退助像も供出の対象となった際には、その壮行式で式辞を述べています。これは、当時の社会状況と高橋の立場を象徴する出来事と言えるでしょう。

退官とその後
高橋は、1945年（昭和20年）4月に高知県知事を退任し、同年には官僚としての職を辞しました。戦後、公職追放の対象となりますが、その後は実業家として活躍しました。神奈川県観光社長を経て、1972年（昭和47年）から1983年（昭和58年）まで東北放送会長を務めました。また、1955年（昭和30年）には仙台市長選に出馬しましたが、残念ながら落選しました。

参考文献
高橋の足跡を辿る上で、以下の文献が参考になります。

『板垣退助先生銅像供出録』：高知城公園の板垣退助像の金属供出に関する資料です。
『新編日本の歴代知事』：歴代の知事に関する情報がまとめられており、高橋の知事としての業績を知る上で役立ちます。
『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』：日本の官僚制の歴史を体系的にまとめた事典であり、高橋が活躍した時代の官僚制度を知る上で貴重な資料です。
『ジャパン WHO was WHO 物故者事典 1983-1987』：物故者の情報が掲載されており、高橋の略歴や没年を知ることができます。

高橋三郎の生涯は、激動の時代を生き抜いた官僚、そして実業家としての姿を私たちに伝えてくれます。

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