高橋健一 (陸上選手)

高橋健一（たかはし けんいち、1973年1月16日 - ）は、日本の元陸上競技選手であり、現在は陸上競技指導者として活躍しています。専門は長距離走で、秋田県鹿角市出身です。秋田県立花輪高等学校、順天堂大学を卒業後、ダイエーを経て富士通に所属しました。現役時代の体格は身長172cm、体重55kgでした。

大学時代は、澤木啓祐監督の指導の下で鍛えられ、箱根駅伝では4年生時に2区を走り、渡辺康幸、ステファン・マヤカに次ぐ区間3位の好成績を収めました。茄子紺のユニフォームに身を包み、4年連続で箱根路を駆け抜けたことは、彼の陸上人生において重要な経験となりました。大学卒業後はダイエーに入社し、マヤカらと共に競技生活を送りましたが、1998年3月に同社陸上競技部が休部となったため、その後富士通へ移籍しました。

2000年の第44回全日本実業団対抗駅伝競走大会では、6区（18.0km）を走り区間4位となり、富士通の初優勝に貢献しました。また、同年1月10日には東京ハーフマラソンで優勝し、1時間00分30秒の日本新記録を樹立しました。この記録は、従来の記録を12秒も更新するもので、特に前半からハイペースで飛ばし、20キロ通過タイムが57分26秒という驚異的なものでした。

2001年の第45回全日本実業団対抗駅伝競走大会では、2区（22.0km）を走り、12人をごぼう抜きにする圧巻の走りで、1時間01分36秒の区間新記録を達成しました。さらに、同年の第22回東京国際マラソンでは2時間10分52秒で優勝しました。レースでは、尾方剛らと先頭集団を形成し、31キロ過ぎから独走状態に入りました。終盤は失速し、目標としていた2時間10分切りはなりませんでしたが、35キロ地点までは、当時後輩の藤田敦史が持っていた日本記録のラップタイムを上回る速さを見せました。

その後、世界陸上選手権エドモントン大会に日本代表として出場しましたが、本番前に故障の影響があり、2時間24分04秒の26位という結果に終わりました。しかし、日本代表チームとしては団体銀メダルを獲得しました。

その他にも、1997年の甲佐10マイルロードレース、1996年と2000年の熊日30キロロードレースで優勝するなど、数々のロードレースで輝かしい成績を残しています。2000年の唐津10マイルロードレースでは、新宅雅也の持つ日本記録に8秒差と迫る45分48秒で優勝しました。2005年には、日本代表として第33回世界クロスカントリー選手権にも出場しています。

現役引退後は、2005年から富士通陸上競技部長距離コーチに就任し、後進の育成に尽力。2018年には駅伝監督に就任し、2020年のニューイヤー駅伝ではチームを優勝に導きました。2022年からは陸上競技部監督として、チーム全体の指揮を執っています。

高橋はそのロードでの強さから「駅伝男」「30キロまでの日本最強」と称され、その名に恥じない活躍を見せました。後輩の三代直樹は、高橋の練習について「尋常じゃない量と質の練習」と語っています。また、花輪高校の先輩には浅利純子、後輩には松宮隆行・祐行双子兄弟がいます。夫人は小出正子であり、義父は著名な陸上指導者である小出義雄です。

自己記録

10000m - 28分11秒18（1999年 兵庫リレーカーニバル）
10マイルロード - 45分48秒（2000年 第40回唐津10マイルロードレース大会）
ハーフマラソン - 1時間00分30秒（2000年）
マラソン - 2時間10分51秒（2001年）

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