高橋利光

高橋 利光（たかはし としみつ）氏は、1965年11月26日に東京都葛飾区亀有に生まれ、ミュージシャン、編曲家、レコーディングディレクターとして日本の音楽シーンで多方面にわたる活動を展開しています。血液型はA型です。

キャリアの始まりと「鷹羽仁」としての活躍

幼少期からピアノに親しんだ高橋氏は、東京電機大学高等学校を経て武蔵大学に進学。在学中はバンド活動に情熱を注ぎ、音楽への造詣を深めました。

大学卒業後、1988年に音楽制作会社パブリック・イメージに入社。敏腕プロデューサーとして知られる月光恵亮氏に師事し、音楽業界でのプロフェッショナルとしてのキャリアをスタートさせます。

パブリック・イメージ在籍中は、主に「鷹羽仁（たかば・ひとし）」という名義で活動しました。この名義は、本名である利光の「光」の字を組み替えて名付けられたといいます。

鷹羽仁名義では、ギタリストの横関敦のツアーマネージャーを務めたことを皮切りに、ZIGGY、COBRA、LINDBERGといったロックバンドのレコーディングディレクターとして、多くの作品制作に携わりました。また、シンガーソングライターの田村直美氏をはじめ、数多くのアーティストの楽曲アレンジメントを手掛け、その編曲家としての手腕を遺憾なく発揮しました。

特に田村直美氏とは、「光と影を抱きしめたまま」「BLOOD, SWEAT & GUTS」といったヒット曲を含む多数の作品でタッグを組み、アルバム『Excellent』や『N'』などでも中心的な役割を担いました。編曲においては、月光恵亮氏のほか、佐藤宣彦氏、須貝幸生氏、弥吉淳二氏、神長弘一氏ら、多くのクリエイターとの共同作業も多く、その柔軟な対応力と幅広い音楽性がうかがえます。また、SMAPの「退屈な日曜日」や渡辺美里の「おねがい太陽 〜夏のキセキ〜」など、月光恵亮氏のプロデュースワーク以外での編曲提供も行っています。

編曲を手掛けた主なアーティストとしては、麻倉未有、女盛りゲザデレタ、川村結花、小比類巻かほる、佐久間学、鈴木康博、Sepa、世良公則、DELTA、BEREEVE、FUDGE、松田樹利亜、吉田匠らが挙げられ、ポップスからロックまで多岐にわたるジャンルに対応しました。

プレイヤーとしても、荻野目洋子、高橋克典、ZNX、PEARLなどのレコーディングに参加しており、幅広い音楽活動を展開していました。

ミュージシャンとしての活動と現在

パブリック・イメージを離れた2001年、高橋氏は長年の親交があったギタリストの小野瀬雅生氏らと共に自身のバンド「小野瀬雅生ショウ」を結成。これを機に、プレイヤーとしての活動を本格的に開始しました。

同時期には、ヴァイオリニストの壷井彰久氏率いるプログレッシブ・ロックバンド「KBB」にもキーボーディストとして参加し、その技巧的な演奏でバンドサウンドに貢献しました。

そして翌2002年、横山剣氏率いる人気バンド、クレイジーケンバンドに加入。以来、クレイジーケンバンドのメンバーとして、鍵盤楽器全般を担当。ジャズ、ロック、ソウル、歌謡曲など多様な音楽要素を取り入れたバンドのサウンドにおいて、重要な役割を果たしています。ライブ活動やレコーディングを通じて、クレイジーケンバンドの音楽性を支える屋台骨の一人として、その存在感を示しています。

精力的なバンド活動と並行して、教育活動にも力を注いでいます。洗足学園音楽大学では准教授として教壇に立ち、自身の経験に基づいた実践的な指導を通じて、次世代の音楽家育成に貢献しています。

ミュージシャン、編曲家、レコーディングディレクター、そして教育者として、高橋利光氏は日本の音楽シーンにおいて多角的に活動を続け、その才能を発揮しています。

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