高橋功一 (1971年生の投手)

秋田県能代市に生まれ育った高橋功一氏は、1971年7月2日にこの世に生を受けました。

能代高校時代には、3年生の春に県大会を制し、東北大会でも決勝まで勝ち進みました。決勝では、後にプロでも活躍する仙台育英高校の大越基投手との投げ合いとなりましたが、惜しくも敗れました。奇しくも、高橋氏の母校である能代高校は、オリックスの前身にあたる阪急ブレーブスでエースとして「サブマリン投法」を武器に活躍した山田久志氏を輩出しており、山田氏は高橋氏にとって高校の大先輩にあたります。

高校卒業を控えた1989年のプロ野球ドラフト会議で、オリックス・ブレーブスから3位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。背番号は入団から引退まで一貫して「41」を着用しました。

しかし、プロ入り後の最初の4年間は、期待されながらも一軍での登板機会に恵まれませんでした。課題とされた制球難や膝の故障など、苦難の時期が続きました。

転機が訪れたのは、プロ5年目となる1994年です。この年、母校の大先輩である山田久志氏が投手コーチに就任。指導を受け、独特のフォームであるスネーク投法を磨いた結果、念願の一軍昇格を果たします。5月29日の対西武ライオンズ戦で救援としてプロ初登板、初奪三振を記録。続く6月2日の対日本ハムファイターズ戦で初先発、そして6月17日の対西武ライオンズ戦ではプロ初勝利を挙げました。この年は、主に先発とロングリリーフとして登板し、最終的に6勝2敗という素晴らしい成績を残し、プロの世界で才能が開花しました。7月15日の対近鉄バファローズ戦ではプロ初完投勝利を挙げ、この試合では先発全員から11奪三振を記録するなど、高い奪三振能力も披露しました。スリークォーターから投げ込まれる多彩な変化球、特にカーブ、スローカーブ、シュート、スライダー、フォークなどを駆使した投球が持ち味でした。

1995年には、前年に引き続き主に先発投手として起用され、自己最多となる7勝をマーク。この年のオリックス・ブルーウェーブ初のリーグ優勝に大きく貢献しました。9月30日の対近鉄バファローズ戦ではプロ初完封勝利も達成しています。読売ジャイアンツとの日本シリーズでは、第5戦のマウンドを任されました。

その後もチームを支えましたが、2000年にはリリーフとしてチーム最多、そして自身にとっても最多となる49試合に登板しフル回転しました。しかし、この年に痛めた肩の故障が癒えず、翌2001年は一軍での登板機会はなく、惜しまれながら現役生活にピリオートを打ちました。

現役引退後も、野球との関わりは続きました。2002年からはオリックスの球団職員として、スコアラーの立場でチームを支えましたが、2009年をもって球団を離れました。

その後、2015年1月30日には学生野球資格を回復。現在は兵庫県加古郡播磨町に「野球屋」という事務所を構え、その代表を務めています。主に、未来の球児たちを育成するための野球スクールや、少年硬式野球チーム（ヤングリーグに所属する東加古川レッドアローズ）の運営に尽力しています。また、年末に故郷の能代市へ帰省した際には、地元の子どもたちを対象にした野球教室も開いており、秋田の野球振興にも貢献しています。選手として、そして指導者として、野球界への貢献を続けています。

もう一度検索