高橋卓志

高橋卓志氏は、1948年12月4日に長野県で生まれました。松本深志高等学校を経て龍谷大学文学部を卒業、同大学院東洋史学研究科を中退しています。その後、海清寺専門道場にて修行を積み、山田無文老師に師事し、太平洋戦争の南方戦地跡での戦没者遺骨収集事業にも携わりました。

1976年には神宮寺に入り、住職として寺を運営する傍ら、社会活動にも力を注ぎました。1981年には筑摩工芸研究所、1991年には日本チェルノブイリ連帯基金の設立に参加。特に、1991年から1997年にかけては、チェルノブイリでの医療支援活動に尽力し、被災者の救済に貢献しました。

2018年5月には、長年住職を務めた神宮寺を離れ、フリーランスの僧侶として新たな活動を始めています。また、長野県NPOセンター代表、ライフデザインセンター代表、ケアタウン浅間温泉代表理事、アクセス21代表など、複数の団体の要職を歴任し、地域社会の発展にも貢献しています。龍谷大学社会学部および大学院では客員教授として教鞭を執り、後進の育成にも尽力しました。

高橋氏は、多数の著書を通じて、自身の思想や経験を発信しています。『チェルノブイリの子どもたち』では、チェルノブイリでの医療支援活動を通して見えてきた現実を、『死にぎわのわがまま』では、終末期の医療と人間の尊厳について深く考察しています。他にも、『現代いのちの用語辞典 あなたのいのちと向き合うために』、『奔僧記 知らぬが仏じゃいられない!』、『寺よ、変われ』、『さよなら、仏教』など、仏教のあり方や現代社会における宗教の役割について問いかける著作を多数発表しています。

また、共著として、鎌田實氏との共著『インフォームドチョイス 成熟した死の選択』、内藤いづみ氏、鎌田實氏との共著『ホスピス最期の輝きのために Choice is yours』など、医療や福祉に関するテーマにも積極的に取り組んでいます。さらに、NHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも出演し、生老病死という仏教の根幹的なテーマについて語り、多くの視聴者に感銘を与えました。

高橋卓志氏は、僧侶としての活動だけでなく、社会貢献活動や執筆活動を通して、現代社会における仏教の役割や、人間の生き方、死に方について深く考え続けている人物です。

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