高橋幹夫 (警察官僚)

高橋 幹夫の経歴と影響

高橋幹夫（たかはしみきお）は、1917年3月17日に岐阜県で出生し、1989年11月28日に逝去した日本の内務、警察、防衛分野の官僚です。彼はそのキャリアの中で多くの重要な役割を果たし、特に警察庁長官としての活動によって広く知られています。

学歴と初期の経歴

高橋は東京府立第六中学校を卒業後、第一高等学校に進学し、1940年10月には高等試験の行政科で首席合格を果たしました。1941年3月には東京帝国大学法学部を卒業し、同年4月に内務省に入省します。内務省ではまず計画局都市計画課に配属され、行政的な経験を積みました。

その後、彼は短期現役の海軍主計科士官としての道を選び、1941年4月には海軍主計中尉に任官。海軍経理学校に入学し、同年8月に卒業後は「鳳翔」に乗組し、さまざまな航空隊で主計長としての役割を果たしました。終戦を迎えるまでの間にいくつかの重要なポストを経験し、1945年には海軍主計少佐に昇進しました。

内務省への復帰

終戦後、高橋は内務省に復帰し、福岡県庶務課長に就任します。その後も内務省の会計課や警視庁などでの勤務を経て、国家地方警察において多くの役職を歴任しました。警視庁では警務課長や警備部長などの要職を務め、さらには警察庁で次長としての地位を確立しました。

警察庁長官としての業績

1972年6月には警察庁長官に就任し、その任期中にはいくつかの重要な政治的な事件に関与しました。特に1974年の春闘における日教組委員長の逮捕や、前任者の選挙違反事案の摘発などがありました。しかし同年8月には文世光事件の責任を問われ、即日辞任を表明。10月に正式に退任しました。

退官後の活動

退官後は、阪神高速道路公団の理事長や日本自動車連盟の会長など、多くの役職を務めました。彼の経歴は、日本の官僚制度における影響力の大きさを示すものであり、今もなお多方面での功績が評価されています。

著作

高橋は著述活動も行い、1976年には『警察歳時記』、1980年には『評論歳時記』を発表しました。このような出版を通じて、自身の経験や知識を次の世代に伝えようとした姿勢が窺えます。

参考文献

彼に関する情報は、秦郁彦編の『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』、小山善一郎・石丸陽編の『日本警察官僚総合名鑑』などに詳しく記載されています。また、彼の功績と生涯は、日本近現代史の中でも重要な位置を占めています。高橋幹夫の活動は、内務、警察、そして防衛の各分野において今も影響を与え続けています。

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