高橋敏雄 (内務官僚)

高橋敏雄：内務・厚生官僚、そして群馬県知事としての生涯

高橋敏雄（たかはし としお）は、明治34年（1901年）6月24日に生まれ、昭和42年（1967年）11月15日に没した、日本の官僚です。内務省と厚生省で要職を歴任し、戦後には群馬県知事として復興に尽力しました。晩年は健康保険組合連合会で、医療保険制度の発展に貢献しました。

生い立ちと学歴

高橋敏雄は、長崎県東彼杵郡佐世保村（現在の佐世保市）で、父・高橋敏二郎、母・三九重の長男として生を受けました。幼少期を佐世保で過ごした後、明治42年（1909年）1月に東京市へ移り住み、府立第一中学校（現在の東京都立日比谷高等学校）に進学。その後、第一高等学校を経て、東京帝国大学法学部法律学科（英法）へと進みました。学業優秀であり、高等試験行政科試験と司法科試験の両方に合格しています。

官僚としてのキャリア

東京帝国大学卒業後の大正15年（1926年）3月、高橋敏雄は内務省に入省し、社会局に配属されました。以降、地方事務官、宮内書記官、厚生書記官といった様々な役職を歴任。厚生大臣官房人事課長、厚生大臣秘書官、内務省大臣官房人事課長、内務大臣秘書官など、中央官庁の要職を歴任し、その手腕を発揮しました。

昭和20年（1945年）4月には、群馬県知事に任命され、戦後の混乱期における県の復興に尽力しました。しかし、昭和21年（1946年）1月、公職追放となり、官僚としての職を退くこととなりました。

実業界での活躍と医療保険制度への貢献

公職追放解除後、高橋敏雄は実業界に転身し、鹿島建設常務、日光産業会長、同代表取締役などを務めました。その後、昭和31年（1956年）11月から昭和42年（1967年）7月まで、健康保険組合連合会常務理事として、医療保険制度の発展に尽力しました。支払側の立場から、制度の改善や発展に貢献したことは、特筆に値します。

人物

高橋敏雄は、官僚として、また実業家として、常に社会のために尽力した人物でした。特に、戦後の復興期における群馬県知事としての貢献や、医療保険制度の発展に尽くした功績は、高く評価されています。

参考文献

『高橋敏雄さん』高橋敏雄氏追悼録刊行会、1968年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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