高橋英樹 (野球)

高橋 英樹

1972年10月4日、鹿児島県の離島である喜界島、大島郡喜界町で生まれました。プロ野球選手としてマウンドに上がり、引退後は指導者としてではなく、打撃投手として広島東洋カープを支えています。投打は右投げ右打ち。

少年・高校時代

野球との出会いは小学3年生の時でした。当初は捕手としてプレーしていましたが、中学3年生を迎える頃に投手に転向します。喜界高校へ進学すると、1年生の秋には早くもエースとしてチームの柱を担いました。高校時代の甲子園出場はありませんでしたが、2年生の夏には鹿児島県大会でベスト16に進出し、同年の秋にはベスト8まで勝ち進むなど、離島の公立校ながら健闘しました。特に印象的な試合としては、3年生最後の夏の大会での出水高校戦が挙げられます。この試合では15個もの三振を奪う力投を見せましたが、残念ながら初戦で敗退となりました。

プロ入りから現役引退まで

高校での実績が認められ、1990年のプロ野球ドラフト会議において、広島東洋カープと阪神タイガースから3位指名を受けました。複数球団競合となりましたが、抽選の結果、広島が交渉権を獲得し、入団が決定。郷里である喜界町から初めて誕生したプロ野球選手として、大きな注目を集めました。また、古代の鬼界ヶ島とも関連付けられる喜界島出身であること、そして著名な俳優である高橋英樹氏と同姓同名であったことも、入団当初の話題となりました。

プロ生活は1991年からスタート。プロ入り3年目の1993年には、待望の一軍登板を果たします。このシーズンは先発投手としてもリリーフとしても起用され、23試合に登板するなどキャリアの中で最も多くの機会を得ました。その後は主に中継ぎとしてチームを支えましたが、1998年頃からは一軍での登板機会が激減。そして、1999年のシーズン終了後に戦力外通告を受けました。現役続行を目指し、ヤクルトスワローズの入団テストを受けましたが、合格には至らず、同年限りでユニフォームを脱ぐことになりました。

プロ野球選手としての主な記録は以下の通りです。

初登板: 1993年4月18日、対読売ジャイアンツ2回戦（広島市民球場）
9回表に3番手として救援登板、1イニングを無失点に抑えました。
初奪三振: 上記初登板試合の9回表、打者・駒田徳広氏から奪いました。
初先発登板: 1993年6月11日、対阪神タイガース8回戦（阪神甲子園球場）
6回1/3を投げ、2失点という内容でした。
初勝利・初先発勝利: 1993年9月18日、対中日ドラゴンズ20回戦（ナゴヤ球場）
* 先発としてマウンドに上がり、6回2/3を1失点に抑えてプロ初勝利をマークしました。

選手時代の背番号は 45 でした（1991年〜1999年）。

現役引退後

現役引退後も野球に携わる道を選び、長年在籍した広島東洋カープの打撃投手に転身しました。打撃投手としての背番号は 94（2000年〜2002年）、その後は 104（2003年〜現在）をつけています。チームの練習を影で支える存在として、現在もカープに貢献し続けています。また、2013年には、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の日本代表直前合宿に、チームスタッフの一員として帯同しました。

故郷である喜界町出身者として初めてプロ野球選手となり、話題性も兼ね備えた右腕でした。その野球人生は、離島からプロの世界へ挑み、一軍での登板機会を得るも、競争の中で現役生活に終止符を打ち、現在は打撃投手としてチームを支えるという、波乱と貢献の軌跡をたどっています。

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