高橋雄豺

高橋雄豺（たかはし ゆうさい）は、1889年（明治22年）11月3日に生まれ、1979年（昭和54年）8月26日に没した、日本の内務官僚、実業家、ジャーナリストです。香川県知事を務めたほか、読売新聞社で主筆、副社長、最高顧問を歴任し、日本のメディア界にも大きな足跡を残しました。

生い立ちと初期のキャリア

愛媛県西条市で、高橋岩吉の長男として誕生しました。1907年（明治40年）に北予中学（現在の松山北高校）を卒業後、1909年（明治42年）には警視庁巡査となります。その後、神田警察署をはじめとする複数の警察署で勤務し、1915年（大正4年）には警察官練習所を卒業しました。同年には内務省に転じ、警保局保安課、図書課でキャリアを重ねました。同年10月には文官高等試験行政科試験に首席で合格し、その能力の高さを示しました。

内務官僚としての活躍

1916年（大正5年）には静岡県警視・警察部保安課長に就任し、その後も内務部学課長を務めるなど、内務官僚として着実にキャリアを積み重ねました。1920年（大正9年）から1922年（大正11年）にかけては欧米に留学し、警察制度法を研究しました。帰国後の1922年（大正11年）には内務書記官・警保局警務課長に就任し、その後も静岡県書記官・内務部長、警視庁書記官・警務部長を歴任。1931年（昭和6年）には香川県知事に任ぜられましたが、同年末に休職し、翌年1月に退官しました。

ジャーナリズムの世界へ

1933年（昭和8年）には読売新聞社に入社し、外報部長、主筆、副社長を歴任しました。読売新聞社では、正力松太郎のもとで、経営面でも大きな役割を果たしました。第二次世界大戦後、公職追放期間を経て、1955年（昭和30年）には再び読売新聞社副社長に復帰し、1965年（昭和40年）まで務めました。この間、プロ野球東京讀賣巨人軍球団社長、日本新聞協会会長なども務めました。1970年（昭和45年）には読売新聞社最高顧問に就任し、その卓越した見識と経験を活かして、同社の発展に尽力しました。

学術的な貢献

1958年（昭和33年）には中央大学から法学博士号を授与されました。また、警察大学校名誉教授の称号も得ており、警察制度の研究者としても大きな功績を残しました。

死去と親族

高橋雄豺は、1979年（昭和54年）8月26日に89歳で亡くなりました。妻は高橋タネ（愛媛県、高木秀吉の長女）、三女は安部英の妻です。

著書

主な著書として、『英国警察制度論』（1935年）や『明治警察史研究』（全4巻、1960年-1972年）があり、これらの著作は警察制度研究における重要な文献として、現在も参照されています。

高橋雄豺は、内務官僚、実業家、ジャーナリスト、そして研究者として多岐にわたる分野で活躍し、日本の発展に大きく貢献した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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