高浜市やきものの里かわら美術館・図書館

高浜市やきものの里かわら美術館・図書館：瓦と本の融合空間

愛知県高浜市に位置する「高浜市やきものの里かわら美術館・図書館」は、その名の通り、瓦を専門とする美術館と図書館が一体となったユニークな施設です。1995年、瓦の産地として知られる高浜市の歴史と文化を伝える拠点として開館した「高浜市やきものの里かわら美術館」に、2023年、旧高浜市立図書館の機能が統合される形で誕生しました。

美術館：瓦文化を深く探求

美術館は、日本三大瓦の一つである三州瓦をはじめ、国内外の様々な瓦を展示しています。白鳳文化期の瓦や、紀元前11世紀の中国製瓦など、歴史的な価値の高いコレクションも所蔵しており、瓦の歴史と文化を多角的に理解できるよう構成されています。常設展示では、瓦そのものの歴史や製造工程、そして様々な用途やデザインを通して、瓦文化の奥深さを紹介しています。

企画展も年間4回開催され、瓦に関連するテーマはもちろん、陶芸、写真、絵本原画など、多様な分野の展示を通じて、来館者に新たな発見と感動を提供しています。

建築自体も、かつて衣浦湾から瓦を各地に運んだ千石船をイメージして設計されており、館内にはホール、スタジオ、会議室なども備え、多目的な利用が可能です。館内には家庭フランス料理レストランも併設されています。

美術館の入口前には、日本で最大級とされる鯱瓦が置かれ、来館者を迎え入れます。また、隣接する森前公園には、瓦製の彫刻や、歴史的な塩焼瓦窯「赤窯」（高浜市指定有形文化財）などが配置され、瓦文化と自然が調和した美しい空間が広がっています。

図書館：地域住民の知の拠点

2023年のリニューアルによって、美術館に図書館機能が加わりました。2階に設けられた図書館「ライブラリー ほんの森」は、約2万冊の蔵書を誇り、開架約14,000冊、書庫内約6,000冊を備えています。児童書や育児書を主に扱う図書情報スペース「としょぴあ」（いきいき広場）も併設し、幅広い年齢層の読書ニーズに応えています。

文化イベントの開催

かわら美術館は、単なる展示施設にとどまらず、地域社会に開かれた文化拠点としての役割も担っています。これまで、アニメーターの貞本義行氏の作品展や、著名な思想家を招いた講演会など、様々なイベントが開催され、地域住民に多くの文化体験を提供してきました。

アクセスと開館時間

名鉄三河線高浜港駅から徒歩約8分、または高浜市コミュニティバス「いきいき号」利用でアクセス可能です。開館時間は展示室とミュージアムショップが10:00～17:00、図書館が10:00～18:00、貸し施設利用は10:00～21:00です。休館日は毎週月曜日と火曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始となっています。

まとめ

高浜市やきものの里かわら美術館・図書館は、瓦という独特なテーマを軸に、美術館と図書館という異なる機能を融合させた、他に類を見ない施設です。歴史的価値の高い瓦コレクション、多様な企画展、充実した図書資料、そして美しい景観と、訪れる人々に豊かな体験を提供しています。高浜市の魅力を凝縮したこの施設は、地域住民だけでなく、多くの観光客にとっても貴重な文化体験の場となっています。

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