高田丈資

高田丈資：積極的な攻撃と堅実な受けを両立させた棋士

高田丈資（たかだ たけし）は、1937年4月12日、茨城県行方郡潮来町（現在の潮来市）に生まれた将棋棋士です。1979年6月1日、42歳の若さで心不全のため亡くなりました。

奨励会時代からその才能を認められ、1965年度の第9回古豪新鋭戦では4回戦まで勝ち進んでいます。対戦相手には後にタイトルを獲得する米長邦雄の名も。1966年4月、28歳でプロ棋士（四段）となり、将棋界でのキャリアを本格的にスタートさせました。

プロ入り1年目は、順位戦C級2組で5勝7敗と苦戦を強いられます。しかし、この年には中原誠や桐山清澄といった、後に将棋界を代表する棋士との対戦経験を積んでいます。中原誠は全勝で昇級を果たしており、高田丈資は強豪棋士と渡り合う中で着実に実力をつけていったことが伺えます。

プロ2年目となる1967年度には、順位戦C級2組で9勝3敗の好成績を収め、C級1組への昇級を果たすとともに五段に昇段しました。その後、B級2組への昇級は叶いませんでしたが、持ち前の積極的な棋風と着実な実力向上で将棋界に存在感を示しました。

高田丈資の棋風は、振り飛車党として知られ、積極的な攻めと、粘り強い受けの両方を備えた、力強い将棋が特徴でした。相手が振り飛車を採用した場合、相振り飛車にすることもありましたが、居飛車を選択することが多かったようです。

特に、早指し将棋選手権での活躍は目覚ましく、東京12チャンネル（当時）の同選手権番組では常連として出演。豪快な棋風から、司会の島田良夫アナウンサーに「行方（なめかた）の荒武者」と紹介されるなど、人気を博していました。第1回から第12回大会まで出場し、中原誠や桐山清澄、加藤一二三、森安秀光、有吉道夫といったそうそうたる顔ぶれと対戦。本戦での活躍が目立ち、その実力は一目瞭然でした。

1977年には石川陽生を弟子に迎え、後進の育成にも力を注ぎました。しかし、その矢先に急逝。短いながらも充実した棋士人生を送った高田丈資は、将棋界に大きな足跡を残しました。1980年には追贈七段の栄誉に浴しています。

高田丈資の棋士としての記録は、彼の積極的な棋風と、将棋界への貢献を物語っています。惜しまれつつも亡くなった彼の功績は、今もなお将棋界に語り継がれています。

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