高田雅博

高田 雅博

CMディレクターおよび映画監督として知られる高田雅博（たかた まさひろ）氏は、1964年4月12日、広島県広島市佐伯区に生まれました。

略歴

少年時代から映像表現に強い関心を抱いていたことがうかがえます。中学・高校時代は広島学院にて学び、後に演出家として活躍する土井裕泰氏とは同級生であり、共に8ミリ映画を制作するなど、学生時代から映像制作の基礎に触れていました。特に高校時代は熱心に映画館に通い詰め、映画への情熱を燃やしていました。大林宣彦監督の映画『転校生』が撮影されていた尾道のロケ現場を訪れるほど、その関心は高かったようです。

1989年に上智大学文学部英文学科へ進学後も、映画への情熱は冷めることなく、映画研究会に所属して学業そっちのけで映画漬けの日々を送ったと語られています。大学卒業後は日本天然色映画（現ニッテン・アルティ）の企画演出部に入社し、CMディレクターとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。以来、数多くの優れたCM作品を生み出し、その手腕は国内外の広告賞で高く評価されるようになります。

1996年からはフリーランスとして活動の場を広げ、さらに多様な作品を手がけるようになります。彼が手がけたCMの中でも特に広く知られているのは、サントリーの清涼飲料水『なっちゃん』シリーズや、インターネットと連動した展開で話題となったライフカードの『カードの切り方が人生だ』シリーズなどが挙げられます。ライフカードのCMは、その独創性やインパクトが評価され、2006年の第46回CMフェスティバルにおいてテレビ部門グランプリを受賞する栄誉に輝きました。

また、CMディレクターとして確固たる地位を築く一方、2006年には羽海野チカによる人気漫画を実写化した映画『ハチミツとクローバー』で劇場長編映画監督としてデビューを果たし、活躍の幅をさらに広げました。

主な作品

高田氏の作品は、CMを中心に、映画、テレビドラマ、ミュージックビデオ、ウェブ配信など多岐にわたります。

CM

代表作としては前述のサントリー『なっちゃん』シリーズやライフカード『カードの切り方が人生だ』シリーズが挙げられますが、その他にも、サントリー『BOSSセブン』、セブン-イレブン、たかの友梨ビューティクリニック『ココロのウサギ』篇（出演：篠原ともえ）、JR東日本 山形新幹線『温泉新幹線』篇、朝日新聞 企業広告『穴掘り篇』（出演：稲垣吾郎）、KDDI DION『ミュージカル』篇、明治製菓『XYLISH』（出演：福山雅治）、タワーレコード 企業広告『牛丼屋』篇、ダイワハウス 企業広告『細胞』篇（出演：寺尾聰）、『お菓子の家』篇、集英社 ナツイチ、読売新聞 ヨリモ、WOWOW、日本中央競馬会（JRA）企業広告『クラブケイバ』シリーズ（出演：蒼井優、佐藤浩市、大泉洋、小池徹平）、サントリー『ザ・サントリーオールド』など、枚挙にいとまがありません。蒼井優、オダギリジョー、福山雅治、寺尾聰といった著名な俳優やタレントを起用し、それぞれの魅力を最大限に引き出す手腕は高く評価されています。

映画

2006年に人気漫画を実写化した『ハチミツとクローバー』で劇場長編映画監督デビューを飾りました。出演は櫻井翔、蒼井優、伊勢谷友介ら。

テレビドラマ

テレビドラマの演出も手がけており、フジテレビの『SMAP×SMAP特別編 Smap Short Films』の一編「good-bye, cruel world」（2001年）や、WOWOWのオムニバスドラマ『蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ』の第1章（2008年）、NHK-BS2の『太宰治短編小説集3』より「お伽草紙〜カチカチ山〜」（2010年）などを演出しています。

PV・ネット配信

ミュージックビデオでは、L'Arc〜en〜Cielの「Pieces」（1999年）やbump.yの『卒業までに…』（2011年）を監督。また、明治製菓『XYLISH』やライフカードのプロモーションとして、ウェブ配信向け映像作品なども制作しており、映像表現の可能性を追求し続けています。

長年にわたりCM界を牽引する一方、映画やドラマなど幅広い分野でその才能を発揮する高田雅博氏。彼の生み出す映像は、多くの人々の記憶に残る鮮烈な印象を与え続けています。

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