高畠藩

高畠藩の歴史

高畠藩（たかはたはん）は、現在の山形県東置賜郡高畠町を中心に存在した藩です。出羽国、宿敵である米沢藩の上杉氏の影響下に置かれ、藩主は織田氏が務めました。この藩は、単に高畠町の全域を領地としていたわけではなく、町の一部である高畠村、小幡山村、泉岡村、塩森村、相森村、柏木目村の6つの村を所領とし、藩庁としては高畠陣屋を使用していました。

藩史の概要

高畠藩は、明和4年（1767年）の明和事件を契機に、上野国小幡藩主織田信邦が幕府の命により隠居を余儀なくされ、弟の信浮が家督を相続することになりました。信浮は藩主として高畠へ移封され、従前の特権が剥奪されることとなり、無城大名に降格しました。この移封に際しては、高畠の六村だけでなく、村山郡や信夫郡の一部も所領として与えられました。

高畠陣屋は当初、高畠城の縄張り内に設置されたものの、その後糠野目へ移されることになり、旧陣屋は米沢藩によって維持されました。ただし、天明2年（1782年）から始まった天明の大飢饉は藩財政に深刻な影響を及ぼし、食糧不足が続いたことから、家臣すら藩を辞する事態に発展しました。藩主は幾度となく幕閣に復帰を願ったものの、その願いは届くことはありませんでした。

その後、文化7年（1810年）には陣屋が焼失し、再び上杉氏の援助を受けることになりました。しかし、文政9年（1826年）にも再度陣屋が焼失し、藩は再建を目指しましたが、計画は実現しませんでした。そのため、歩むべき道を見いだせない藩主は、所領の大部分が村山郡に寄っていることから、陣屋を天童へ移す決定に至りました。

移転とその後

文政11年（1828年）、藩主信美は幕府から移転許可を受け、天保元年（1830年）には高畠の陣屋を天童へ移すことに成功しました。これにより、藩は「天童藩」と名を改め、新しい歴史を刻むこととなります。

歴代藩主

高畠藩を治めた歴代の藩主は、全て織田氏に属しており、その家系は次のような背景を持っています。

• - 信邦（のぶくに）：従五位下、美濃守
• - 信浮（のぶちか）：従五位下、左近将監
• - 信美（のぶかず）：従五位下、越前守

上屋敷は現在の千代田区丸の内二丁目にあり、下屋敷は築地の中央区築地三丁目に位置しました。この移封前の小幡藩及びその後の天童藩の織田氏の屋敷は、元禄赤穂事件の際に赤穂浪士が避けたことで知られています。

高畠藩は、その風土と歴史の中で様々な困難を乗り越えた藩であり、織田氏の影響を色濃く反映した藩史を今に伝えています。

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