高砂 (防護巡洋艦)

日本海軍の防護巡洋艦 高砂

高砂（たかさご）は、日本海軍に所属する防護巡洋艦であり、二等巡洋艦に類別される艦船です。その名は加古郡加古川河口の高砂浦に由来します。この地域は古くから船着き場として知られており、景勝地としても名高い場所です。なお、台湾の別名とは無関係です。

建造の背景と艦級

高砂は日清戦争後に実施された第一期拡張計画に基づいて設計されました。艦の建造は1896年4月、イギリスのアームストロング社エルジック造船所で始まり、1898年に改吉野型として竣工しました。この艦の設計は、同じくアームストロング社出身のサー・フィリップ・ワッツが担当しました。

一般には高砂は吉野型巡洋艦とされますが、装甲や兵装に関しては異なる点も多くあります。厳密には、高砂は吉野の同型艦とは位置づけられない場合もあります。実際にはチリのチャカブコ級防護巡洋艦の同型艦とされることが多いです。

構造と性能

高砂は、ボイラーを用いた蒸気機関で動き、円缶を片面4基、両面4基と多数搭載しています。主機は3段4筒レシプロで、設計された蒸気圧は155 psi（約10.9 kg/cm²）です。竣工時には自然通風で22.2ノット、強圧通風で22.9ノットの速度を記録しました。

艦の兵装には、従来の6インチ（約15.2 cm）砲から8インチ（約20.3 cm）砲に強化され、日露戦争当時には47mm砲が装備されました。特に、前部ミリタリーポストに装備された47mm砲は戦闘時に敵に槍玉にあげられることがあったため、撤去されました。

主な艦歴

高砂は1898年に日本海軍に正式に加入し、以降様々な任務に従事しました。まず、日露戦争が勃発する1904年には、第四戦隊として編成され、旅順攻撃に参加することになります。1904年、旅順港口沖で封鎖監視を行っている際、触雷し沈没する運命を辿りました。この時、艦長以下436名の乗組員のうち、153名が救助されましたが、283名が死亡しました。

整備と除籍

沈没後、日本海軍は高砂を含む艦船の喪失を公表し、日露戦争での重要な出来事として記録されました。高砂の艦歴に残る様々な修理や任務、亡失の経緯は、日本の軍艦史においても重要な一ページを占めています。

このように、高砂は単なる戦艦としての役割を果たしただけでなく、日本海軍の発展期における重要な存在でした。艦の歴史を通じて、多くの海戦や任務を行い、艦船の発展に寄与しました。

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