高砂義勇隊

高砂義勇隊について

高砂義勇隊（たかさごぎゆうたい）は、太平洋戦争中に台湾の原住民によって編成された日本軍の部隊です。この部隊は、日本政府から危険な戦場への投入を目指され、フィリピンやニューギニアといった密林地帯で活動を行いました。一般的には高砂義勇軍とも呼ばれています。

設立と派遣の経緯

初回の派遣は「高砂挺身報国隊」として行われ、その後「台湾高砂義勇隊」に改称されました。これに参加した原住民の人数は、推定1万人以上に上ると言われています。1945年にも第8回に相当する隊が編成されましたが、連合国軍によって海路が遮断されたため、実際に戦場へ派遣されることはありませんでした。この際、隊員たちは台湾各地の警備に従事しました。

高砂義勇隊の隊員は正式な軍人ではなく、軍属という立場であり、日本陸海軍の台湾特別志願兵とは区別されていました。さらに、拓南勤務隊という別組織も存在し、南方での土木工事や開墾作業に従事していました。

兵站と戦闘への参加

高砂義勇隊は球数回にわたって派遣されました。部隊は、日本人の台湾警察官に指導され、主に兵站や土木工事を担当しましたが、実際には戦闘にも投入されました。特に、初回の高砂義勇隊がバターン・コレヒドール戦に参加したことで、その活動は戦闘へとシフトしました。初回の隊員は契約期間満了後に帰還できましたが、その後の回では帰還が困難となり、食料調達のために耕作や狩猟などが行われました。また、陸軍中野学校の出身者の指揮下でゲリラ戦も展開されています。

特に、戦病死者の割合は、共に戦っていた日本軍人よりも高かったとされています。高砂族の伝統的な知恵やサバイバル技術は、戦場での生存に重宝されたのです。

戦後の歴史と補償問題

戦後、高砂義勇隊に関連する問題が浮上しました。生存者や遺族の中には、強制的に預けられた軍事郵便貯金の引き出しができないことや、戦死者の靖国神社への合祀に関して裁判を起こした方々もいました。2005年には大阪高裁での判決により、訴訟が敗訴したことが決定し、その後も問題が残っています。

中には、靖国神社に訪れた台湾の原住民らの行動を支持する声や反対する声があり、報道が分かれることもありました。

また、補償に関する問題も深刻であり、戦争のために戦った台湾人元日本兵は、慣習により日本からの補償を受けられない状況にありました。長年にわたり未払の給与や補償問題が議論され、時には暴力的な行動も引き起こされました。

高砂義勇隊慰霊碑

台湾では、戦後に慰霊碑が建立されましたが、管理が困難になったことで撤去の危機に直面しました。報道を受けて議論が広がり、地域社会の動きも注目されました。

このように、高砂義勇隊の歴史は複雑で、多くの台湾原住民が関与した戦争の一部であり、現在もその影響や補償問題が続いています。彼らの勇気と苦闘は、台湾の歴史の中に深く刻まれています。

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