高血糖症

高血糖症

高血糖症（こうけっとうしょう、英: hyperglycemia）とは、血液中のグルコース濃度が異常に高い状態を指します。通常、血糖値が10mmol/L（180mg/dL）以上のときに高血糖症と見なされますが、症状が現れない場合もあります。慢性的に125mg/dL以上の血糖値が続くと、臓器に障害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。英語の「hyperglycemia」はギリシャ語に由来し、「過度に甘い血液の状態」という意味を持っています。

原因

高血糖症の最も一般的な原因は糖尿病です。血糖値が空腹時にも高いままの状態を慢性高血糖症と呼び、糖尿病の診断基準の一部となります。一方で、過去の糖尿病の兆候があるが、急性症状が不明確な場合、進行性糖尿病の可能性が示唆されます。

高血糖症は、糖尿病のタイプや病状に応じたインスリンの減少、およびインスリン耐性によって引き起こされることが多いです。インスリン量が不足し、細胞がインスリンに適切に反応しないことで、体内のグルコースをエネルギー源に変えることが難しくなります。その結果、血中グルコース濃度が上昇し、高血糖症が発生します。

また、グルコースは高い反応性を持ち、細胞外のタンパク質を修飾する作用があります。長期にわたって高い血糖値が続くと、糖尿病の合併症として神経障害や網膜症、腎症につながる可能性があります。

薬剤による影響

高血糖を引き起こす可能性のある薬剤には、βブロッカー、アドレナリン、利尿剤などが存在します。これらの薬剤は血糖値を上昇させる働きがあります。一時的な覚醒剤の投与も高血糖を引き起こすことがありますが、慢性的な使用はむしろ低血糖症をもたらす場合があります。

急性疾患との関係

脳卒中や心筋梗塞といった急性病状を背景に持つ患者では、高血糖症の発生が見られることが多いです。これらの患者は糖尿病を持たなくても、高血糖のリスクを抱えていることがあります。急性疾患に伴う高血糖は、死亡リスクの増加と関連付けられています。特に、血漿グルコース値が120mg/dLを超える場合は、敗血症やその他の重大な疾患を疑う必要があります。

生理的反応

身体がストレスを受けていると、内因性カテコールアミンが放出され、血中のグルコース濃度が上昇します。この反応は感染や炎症時にも見られ、個々の体調や炎症の種類によって変動します。そのため、高血糖を示した場合には慎重な糖尿病の診断が求められます。

検査方法と基準

血糖値はmg/dLとmmol/Lの2つの単位で測定されます。正常値は医師によって異なりますが、一般的には空腹時の成人では80〜110mg/dL（4〜6mmol/L）とされています。血糖値が126mg/dL（7mmol/L）以上であれば、高血糖症と見なされます。慢性的な高血糖症は、HbA1c検査によって判別され、急性高血糖症の基準は研究によって異なりますが、8〜15mmol/L程度とされています。

合併症

一時的な高血糖症は影響が少ないことが多いですが、慢性的に続くと腎障害や神経損傷など深刻な合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病が主な原因となり、治療次第でこれを防ぐことがキーポイントとなります。

症状

高血糖症が示す症状には以下のようなものがあります:

• - 大食症
• - 多飲・多尿
• - かすみ目
• - 疲労感
• - 体重減少
• - 傷の治りが悪い

重篤な状態では、昏睡や不整脈なども現れることがあります。特に、糖尿病性ケトアシドーシスが発症した場合、意識の低下や脱水症状がみられ、早期に治療が必要です。

治療

高血糖症の治療は、主に原因となる疾患に着目し、適切な治療を行うことが重要です。糖尿病が原因とされる場合には、インスリン治療が一般的です。重度の高血糖症では、医師の指導のもとでのインスリン自己注射が効果的です。

高血糖の問題を軽視せず、定期的な検査を実施することで、病状の管理と合併症の予防に努めることが必要です。

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