高谷惣亮

高谷惣亮：タックル王子と、レスリング人生の軌跡

1989年生まれ、京都府京丹後市出身の高谷惣亮選手は、日本を代表するフリースタイルレスリング選手です。ALSOK所属で、階級は86kg級。鋭いタックルを武器に、幾多の戦いを征して来ました。愛称は「タックル王子」。

華麗なる全日本選手権での活躍: 高谷選手の最大の強みは、その圧倒的な国内での強さです。全日本選手権では74kg級、79kg級、86kg級、92kg級と4階級を制覇。実に12年連続優勝という、大会史上2位タイの偉業を達成しました。12度目の優勝は歴代5位にランクインする記録です。

オリンピックへの挑戦: オリンピックには3大会連続出場。2012年ロンドンオリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピックでは74kg級で、2020年東京オリンピックでは86kg級で日本代表として戦いました。残念ながら、いずれの大会でもメダル獲得とはなりませんでしたが、その挑戦は日本のレスリング界にとって大きな意味を持ちます。特に東京オリンピック出場は、コロナ禍による予選の延期や難航を乗り越えて掴んだものでした。2023年の天皇杯では決勝で敗れ、オリンピック4大会連続出場は叶いませんでした。

世界選手権での銀メダル: 高谷選手の国際舞台での実績として、2014年レスリング世界選手権74kg級での銀メダル獲得が挙げられます。決勝ではロシアの強豪選手に惜しくも敗れましたが、その活躍は世界に日本のレスリングの実力を示しました。この大会では、準決勝前に対戦相手から熱湯をかけられるというアクシデントにも遭遇。対戦相手は、その後も数々の反則行為を繰り返したため、出場停止処分を受けることになりました。

レスリングとの出会いから現在へ: 小学校では空手を習っていましたが、小学校6年生でレスリングを始めました。地元のレスリング教室で腕を磨き、全国中学生レスリング選手権大会で優勝。京都府立網野高等学校、拓殖大学と進み、大学時代には北京オリンピック代表候補にもなりました。2011年に全日本選手権で初優勝を果たし、その後は国内外で活躍を続けます。2017年には階級を79kg級、さらに86kg級へと変更。常に挑戦を続け、日本のレスリング界を牽引してきました。

国際大会での戦い: 世界選手権では、2014年の銀メダルの他、数々の大会に出場。時に、頭突きや噛み付きなどの反則攻撃を受けるなど、厳しい戦いを経験してきました。東京オリンピックでは初戦敗退という結果に終わりましたが、その経験は今後の活躍の糧となるでしょう。2022年世界選手権92kg級では10位、2019年、2018年と上位入賞を果たし、国際舞台での経験を重ねています。

家族と将来: 高谷選手にはレスリング選手である弟、高谷大地選手もいます。弟も世界選手権で銅メダルを獲得するなど、レスリング界で活躍しており、兄弟でオリンピアンとなりました。2022年には第一子となる息子が誕生し、家族を築いています。

レスリング人生の集大成: 高谷惣亮選手は、その卓越したタックル技術と不屈の精神で、日本のレスリング界に多大なる貢献を果たしました。数々のタイトルを獲得し、国際舞台でも活躍した彼のレスリング人生は、多くの後進にとって大きな刺激と勇気を与えるものとなるでしょう。今後の活躍にも期待しましょう。

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