高速11号型特務艇

高速11号型特務艇

高速11号型特務艇（こうそくじゅういちごうがたとくむてい）は、海上[[自衛隊]]が運用する特務艇の一つです。この艦級は、自衛隊の創設初期における救難活動を支えるために設計され、特に航空機の墜落や不時着時に乗員を捜索・救助するために使用されました。

背景

1950年代初頭、海上[[自衛隊]]は陸上、海上、航空の各自衛隊間で協力し、初めて捜索救難用の艇を整備しました。その結果、高速1号型と高速4号型の2つの国産救難艇が建造されましたが、これらでは十分な数が確保できず、次第に捜索救難体制の充実が求められるようになりました。

この状況を受けて、日米相互防衛援助協定に基づき、アメリカ合衆国からの供与が決まります。供与されたのは、アメリカ陸軍航空軍（現在のアメリカ空軍）やアメリカ海軍が使用していた63フィート型の飛行機救難艇です。具体的には、1958年に6隻、1959年に2隻、そして1961年に2隻が供与され、合計10隻が海上[[自衛隊]]に配備されました。

これらの艇は、自衛艦籍として「高速11号型特務艇」と名付けられ、「高速11号」、「高速12号」、さらには「高速21号」から「高速28号」までの連番が与えられました。

設計

高速11号型特務艇は、63フィート型の同型艇で構成されていますが、供与された艇の中には第二次世界大戦中に完成したものと戦後に完成したものが混在しています。ボディは木造で構成されており、設計は典型的な救難艇の形状を持っています。艇体の中央部分には操舵室、後方には遭難者を収容するための救急室が設けられています。

通常、この特務艇はホール・スコット製のガソリンエンジンを2基搭載しており、最大34ノットの速度を出すことが可能です。さらに、捜索救難に必須な装備として、レーダーや方向探知機、救命ボートなどが搭載されています。

また、視認性を向上させるために、艇体は白色、甲板は黄色、上部構造は赤色といった色分けが施されています。このようなデザインは、救難活動の特性を反映しており、効果的な運用に寄与しています。

運用

供与された10隻は、海上[[自衛隊]]および航空自衛隊の各基地の近くに配備され、全国的に捜索救難活動に従事しました。しかし、1971年までには、ヘリコプターによる捜索救難体制が整備されたことを受け、全艇が除籍されることとなります。これにより、高速11号型特務艇の運用は終息を迎えましたが、その歴史と役割は今でも海上[[自衛隊]]の救難活動における重要な一ページとして語り継がれています。

まとめ

高速11号型特務艇は、海上[[自衛隊]]における救難活動の礎として位置付けられた艦級です。アメリカからの供与を経て、様々な地域での捜索救難に貢献したこの艇は、自衛隊の歴史において非常に重要な役割を果たしました。この特務艇のたどった道のりは、今後の救難活動においても生かされていくことでしょう。

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