高速4号型特務艇

高速4号型特務艇

高速4号型特務艇（こうそくよんごうがたとくむてい）は海上[[自衛隊]]が運用する特務艇の一階級です。この艇は、高速1号型特務艇に続き、陸上・海上・航空の各自衛隊による航空機の墜落や不時着時における乗員の捜索救助を目的として設計されました。具体的には、1957年度に「高速4号」、翌1958年度には「高速5号」の2隻が三菱造船下関造船所で建造されました。

設計特性

本級は、前階級である1号型を基に、特に寒冷地での運用を想定して設計されています。そのため、艇体は荒天時の活動に耐えうるように、1号型よりも大型化されました。軽量化を図るため、従来の木製艇体に代わって、軽合金製の艇体を採用しています。具体的には、魚雷艇7号で実績のあるアルミニウム合金ANP-0が用いられており、主に溶接で接合されていますが、歪み防止のために約4万本のリベットも使用されています。

艇体の大型化により、遭難者を収容するスペースが約3㎡拡大し、収容可能人員も4名から9名に増加しました。また、操舵室は艇体前方に移され、そこに救急室が新たに設けられるなど、より効率的で機能的なデザインが実現されました。主機関には、前と同じくパッカード製のガソリンエンジン2基を搭載し、艇体は30ノットの速力を維持しています。

さらに、この特務艇は任務の性格から視認性が重視され、艇体は白、甲板は黄、上部構造物は赤に塗装されるという共通の特徴があります。

運用実績

建造された2隻は、当初の計画に従って北方地域に配備されました。具体的には、高速4号が八戸航空隊に、高速5号が函館基地隊にそれぞれ配備され、捜索救難の任務に従事しました。しかし、1974年にヘリコプターによる捜索救難体制が整備されたため、この2隻は除籍されることになりました。

関連項目

• - 海上[[自衛隊]]艦艇一覧

このように、高速4号型特務艇は、特に北方寒冷地での航空事故に備えた設計と、その後の運用において、海上[[自衛隊]]の救難体制に大きな役割を果たしました。

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