高野よしてる

高野よしてる：昭和漫画界の異才

高野よしてる（たかの よしてる、本名：高野義輝、1923年8月22日 - 2008年11月15日）は、雑誌編集者であり、昭和の漫画界を彩った漫画家です。九州で生まれ、幼少期を東京で過ごしました。関東商業学校（現・関東第一高等学校）、法政大学出身。

漫画家としての足跡

1950年代から1970年代にかけて、月刊誌や週刊誌で活躍。『赤ん坊帝国』『黒帯くん』『13号発進せよ』など、数々の人気作品を手がけました。特に『赤ん坊帝国』は、高い知能を持つ赤ん坊が地球を侵略するという奇抜な設定で、SF漫画の先駆けとして注目を集めました。

デビュー前

中学時代から漫画家を志し、加藤芳郎らと共に「新世紀漫画集団」を結成。漫画の研究に励みました。法政大学在学中に学徒出陣で予備士官学校へ。終戦後、大学卒業後に建築会社に就職するも退職。その後、新生社、創文社で雑誌編集に携わり、ペンネーム「高野よしてる」を使用し始めます。

デビュー後

1950年、光文社の漫画雑誌『少女』で『ホクロちゃん』の連載を開始し、漫画家デビュー。その後、『少女ブック』、『少女サロン』、『少女の友』など、様々な少女漫画誌に作品を発表しました。少年画報社からの依頼で『少年画報』に『赤ん坊帝国』を連載し、人気を博します。

『週刊少年マガジン』創刊号では、SF巨大ロボット漫画『13号発進せよ』を執筆。手塚治虫と肩を並べるほどの人気作家となりました。『週刊少年マガジン』と『週刊少年ジャンプ』両誌の創刊号に作品を描いた漫画家でもあります。

転身

しかし、多忙な日々の中、「このままでは死んでしまう」と感じ、1970年に漫画家を断筆。その後、東京・祐天寺でカメラ店・株式会社タカノを創業し、会長を務めました。

人物像

中学時代は柔道部に所属し、活発な一面も持っていました。手塚治虫とは親交が深く、互いに刺激し合う存在だったようです。

主な作品

ホクロちゃん（光文社「少女」）
赤ん坊帝国（少年画報社「少年画報」）
地球をころがす少年（秋田書店「冒険王」）
木刀くん（「冒険王」）
黒帯くん（集英社「おもしろブック」）
13号発進せよ（講談社「週刊少年マガジン」）
東京ターザン（「日の丸」）
鉄腕キング（秋田書店「冒険王」）
うなれ鉄拳（「中学生の友二年」）
悪魔の発明（小学館「小学六年生」）
雨にさく花（講談社「なかよし」）
俺はやるぞ（小学館「週刊少年サンデー」）
ニチボー・バレーチーム物語（小学館「小学六年生」）
小野香選手物語　涙の大車輪（小学館「小学六年生」）
一万三千人の容疑者（小学館「小学六年生」）
死者からの手紙（小学館「小学六年生」）
あらしの夜行列車（小学館「小学六年生」）
秘密指令Q9（小学館「小学六年生」）
* 地獄剣（集英社「少年ジャンプ」）

高野よしてるは、少年漫画の黎明期を支え、多くの読者に夢と希望を与えた漫画家です。その作品は、今もなお色褪せることなく、私たちを魅了し続けています。

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