創文社

創文社の概要

創文社（そうぶんしゃ）は、日本の学術出版社として、1951年に設立されました。創設者である久保井理津男が弘文堂から独立し、同年11月3日に創業を果たしました。どのような経緯で創文社が生まれたのか、またその後の活動の具体例を見ていきましょう。

多彩な出版物

創文社は、哲学、宗教、歴史、東洋学といった人文科学の専門書だけでなく、法律学や政治学、経済史など社会科学に属する書籍を幅広く手がけていました。特に目を引くのは、トマス・アクイナスの『神学大全』の日本語訳や、カール・ヤスパースの『哲学』3部作、ハイデッガー全集など、長い年月をかけて刊行されてきた重要な著作です。

また、アンリ・ピレンヌやマックス・ウェーバーの訳書もあり、これらは「歴史学叢書」として広く知られています。さらに、東洋学や古典中国文学に関する研究書も、多数の叢書を介して発表されました。

定期刊行物とその変遷

創文社は1962年から月刊PR誌『創文』を発行していましたが、2010年12月号でその活動を終えることが告知されました。『創文』は、その後2011年から季刊誌として再スタートしましたが、最終号は2016年の秋号でした。

会社の解散

創文社は、長期にわたる研究費の減少が影響し、2020年に解散されることが関係者に通知されました。2017年には公式サイトでも「会社解散のお知らせ」が掲載され、2020年の3月をもって販売活動が終了、同年6月30日に正式に解散しました。

解散後の流れ

解散後の2019年頃から、創文社の公式サイトでは、過去に出版された書籍を他の出版社によって再発行する案内が掲載されました。2020年6月には、講談社が「創文社オンデマンド叢書」を発表し、解散前の書籍の権利者の同意を得たものについて、電子書籍としての発行が行われることが伝えられました。

また、約半数が刊行予定の『ハイデッガー全集』は東京大学出版会によって引き継がれ、2020年度内には2～3冊の刊行が予定されています。このように、創文社の有する知識や研究は、今なお次世代に受け継がれています。

関連項目と出版界の影響

創文社は、日本の学術出版界において重要な役割を果たしていました。特に、著名な学術系の書籍を出版していたことで、哲学や歴史学などの分野における研究の進展に大きな影響を与えました。今後も、創文社の名著は様々な形で、多くの研究者に利用され続けることでしょう。

参考リンク

• - 創文社オンデマンド叢書 案内

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