高野山高等学校

高野山高等学校

高野山高等学校は、和歌山県伊都郡高野町に位置する私立の高等学校で、学校法人高野山学園によって運営されています。全国私立寮制学校協議会にも加盟しており、その歴史と伝統は1886年（明治19年）にまで遡ります。設立当初は高野山真言宗の元にありましたが、後に学校法人高野山学園の所属となりました。この学校は、仏教、特に高野山真言宗の教えを深く根ざした教育を行っており、生徒たちの全人的な成長を重視しています。

特徴

環境

世界遺産にも登録されている高野山に位置し、その豊かな自然と歴史的な寺社に囲まれた環境は、生徒たちの精神的な成長を促します。この特別な環境は、単なる学習の場を超えた、人格形成のための重要な要素となっています。

教育

高野山高等学校の教育は、心の教育を重視しています。校長先生は高僧であり、多くの僧侶の先生方が在籍しているため、穏やかで慈愛に満ちた校風が特徴です。生徒一人ひとりの個性を尊重し、その才能を最大限に引き出すための教育が行われています。具体的には、「宗教科」と「普通科」の二つの学科があり、普通科はさらに「特別進学」「自己探求」「スポーツ」「吹奏楽」の4つのコースに分かれています。また、通信制課程として「マイウェイコース」も提供されており、多様な学習ニーズに対応しています。

沿革

高野山高等学校の歴史は、1886年に古義真言宗尋常中学林として始まったことに遡ります。以下にその主な沿革をまとめます。

1886年：古義真言宗尋常中学林として創立。
1895年：学科編成を改め、普通学科を追加。
1908年：私立古義真言宗聯合高野中学林と改称。
1916年：私立真言宗高野山中学と改称、大学から独立。
1919年：在家の子弟の入学を許可。
1923年：谷上の校舎に移転。
1924年：高野山中学と改称。
1948年：学制改革により高野山高等学校と改称、男女共学化。
1951年：現在の校章を制定。
1966年：第38回[[選抜[[高等学校野球大会]]]]に初出場。
1988年：第70回全国高校野球選手権記念大会に初出場。
1994年：宗教科（男女共学）を新設。
2015年：広域通信制課程マイウェイコースを新設。

校訓

高野山高等学校の校訓は、『身のこなし美しく、口にいつもありがとう、意に思いやりの優しさあり』です。これは、仏教の身口意の三業を基に、生徒たちが心身ともに美しく、感謝の気持ちを忘れず、他者への思いやりを持って行動することを促しています。

学科

宗教科

高野山高等学校の宗教科は、日本で唯一の宗教専攻学科です。この学科では、真言宗の僧侶を育成するための専門的な教育が行われ、卒業時には准教師の資格を得ることができます。在学中には得度、理趣経加行、護身法加行などの修行を行い、希望者は四度加行を受けることも可能です。また、四国遍路実習や水行など、実践的な行事も多く行われます。

普通科

普通科には、「特別進学」「自己探求」「スポーツ」「吹奏楽」の4つのコースがあります。特別進学コースは、難関大学への進学を目指す生徒のためのコースで、自己探求コースは生徒の興味や関心に基づいた学びを深めることを目的としています。スポーツコースと吹奏楽コースは、それぞれスポーツや音楽の分野で才能を伸ばすための専門的な指導を行っています。

広域通信制課程マイウェイコース

このコースは、多様な生徒のニーズに応えるため、東京校と大阪校を設置し、各個人塾や専門学校との連携も行っています。

学校行事

高野山高等学校では、宗教的な行事が数多く行われています。毎朝の朝礼では般若心経を読経し、毎月21日には廟参（奥の院参拝）が行われます。その他にも、音楽法会、青葉祭、文化祭（南嶺祭）、追悼法会など、年間を通して様々な行事が行われます。

部活動

高野山高等学校には、野球部、空手道部、サッカー部、女子ハンドボール部、バスケ部、陸上部、宗教行道部、弁論部、文芸部、書道部、インターアクトクラブ、軽音楽部など、多様な部活動があります。特に女子ハンドボール部は、インターハイや全国選抜大会への出場実績があります。

その他

校長は僧侶が務めることが慣例となっており、作家の家田荘子氏が特任講師として講義を行っています。アクセスは、南海電鉄鋼索線高野山駅からバスを利用するか、徒歩でアクセスすることができます。系列校には高野山こども園と高野山大学があります。

著名な卒業生

天野こうゆう（僧侶）
後藤太栄（元高野町長・僧侶）
バカボン鈴木（パール兄弟ベーシスト）
山田真実（元プロ野球選手）
尾田剛樹（プロ野球選手）
* 蝉丸P（僧侶）

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