高野志津

髙野 志津（たかの しず）

宮城県仙台市に生まれた髙野志津氏は、多岐にわたる分野で活躍するフリーアナウンサーであり、食の専門家としても知られています。

初期キャリアとラジオでの活躍

大学を卒業後、髙野氏は静岡エフエム放送（K-MIX）に入社し、アナウンサーとしての道を歩み始めます。その後、故郷である仙台に戻り、フリーランスとして活動を継続。特に、地元宮城のFM局であるDate fmでは、持ち前の明るさと声で多くのリスナーから支持を集める人気パーソナリティとして活躍しました。

東北楽天ゴールデンイーグルスでの挑戦

彼女のキャリアにおける大きな転機となったのは、2005年にプロ野球に新規参入した東北楽天ゴールデンイーグルスの誕生でした。球団創設元年、本拠地球場（当時の名称はクリネックススタジアム宮城、現在の楽天Koboスタジアム宮城）にて、初代スタジアムDJという重責を担います。単に試合進行のアナウンスを行うにとどまらず、ある些細な疑問をきっかけに、球場外周エリアに「SWEETS TOWN」というユニークな企画を展開。女性ファン層を意識したこのプロジェクトは、観客から熱狂的な支持を得て、見事に成功を収めました。スタジアムDJとして充実した活動を送る中、2007年にはプロ野球オールスターゲーム第2戦のセントラル・リーグ側場内アナウンスという栄誉ある役割も務めましたが、同年限りでスタジアムDJを退任。この決断は地元メディアでも大きく報じられ、注目を集めました。

食への情熱とフランス留学

スタジアムDJを退いた翌年の2008年6月、長年抱いていた「お菓子が好き」という強い思いが募り、フランスへの渡航を決意します。パリにある著名な製菓学校、ル・コルドン・ブルー・パリ校に留学し、本格的な菓子作りの技術を習得。さらに、ショコラ界の巨匠として知られるジャック・ジュナン氏のもとで、フランス菓子の真髄を深く学びました。約2年間にわたる滞在を経て、2010年4月に帰国。その後は、これまでのアナウンサーとしての経験に加え、フランスで得た知識と技術を活かし、食に関する分野での活動も積極的に展開するようになります。

食の専門家としての評価と震災からの復興支援

食に関わる活動はすぐに認められ、帰国間もない2010年9月には、農林水産省より「食のオフィシエ」に任命されるという栄誉に浴しました。2011年には、故郷・仙台で東日本大震災に遭遇。自身も被災しながらも、復興への強い思いから様々な支援活動に関わります。特に、日本音楽事業者協会が主催した「演歌キャラバン隊」では司会を務め、北島三郎氏や五木ひろし氏、都はるみ氏といった大御所演歌歌手らと共に被災地を巡り、歌と司会で人々を励ましました。同年9月には、日本フードアナリスト協会から「2012年度 食のなでしこ」に選ばれ、食の専門家としての地位を一層確固たるものとします。

NHK仙台での活動と現在の拠点

2012年、ラジオ番組の強化を目指していたNHK仙台放送局に採用されます。契約キャスターという形式でしたが、実際には番組出演者としてのタレントに近い扱いで、自身のフリーアナウンサーとしての活動も並行して継続しました。NHKでは、夕方の生ワイド番組『ゴジだっちゃ!』のメイン司会を2年間務め、再びラジオの世界で存在感を発揮します。2014年にNHK仙台放送局との契約が満了した後、再びフランスへ渡航。現在はパリに生活の拠点を移し、そこから様々な情報発信や活動を行っています。

多様なキャリアと専門性を兼ね備えた髙野志津氏は、アナウンサー、スタジアムDJ、食の専門家、そして復興支援活動家として、常に新しい挑戦を続けています。

主な出演番組

Date fm
Morning Junction Wonder J（月・火パーソナリティ）
ぐるめクリック（金曜日）
SMILE FOR MIYAGI（東日本大震災復興支援番組、NHK起用後も出演）
NHK仙台放送局
ゴジだっちゃ!（2012年4月 - 2014年3月）
スタジアムDJ
東北楽天ゴールデンイーグルス（フルキャストスタジアム宮城）初代スタジアムDJ（2005年 - 2007年）

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