高雄捷運Urbos電車

高雄捷運Urbos電車の概要

高雄捷運Urbos電車は、2015年から台湾高雄市の高雄捷運環状軽軌（LRT）でサービスを開始した超低床路面電車です。正式な形式名は設けられていませんが、「小緑緑」という愛称で親しまれています。この車両は、台湾初の営業用ライトレール車両であり、スペイン製でもあります。

開発と導入の経緯

高雄ライトレールでは、環状線全線の開業に向けて24編成の車両を調達する計画があり、その中で第1期区間向けにスペインのCAFから9編成の100%低床車両であるUrbos 3が導入されました。CAFのコンソーシアムは2013年に入札で優先交渉権を獲得し、初編成は2014年に台湾に到着しました。これにより、高雄市はこれまでおこなわれてきた展示やデモンストレーションを経て、本格的なライトレールの導入が進実現しました。

導入された車両は無架線走行が可能で、停車時の急速充電が実現されているなど、技術面でも優れた特長を持っています。試運転は2014年11月に始まり、2015年秋には一部区間で営業運転が開始されました。さらに、2016年8月には追加の15編成調達を検討するものの、入札では中国鋼鉄・アルストムコンソーシアムに敗れ、導入は9編成にとどまりました。

車両の仕様

このUrbos電車はスペインCAFが設計・製造し、エクステリアはイタリアの設計者ジウジアーロが担当しました。走行装置には、ニッケル・水素充電池による急速充電ユニットが搭載されており、駅間での無架線走行を実現しています。これにより、車両は1.4kmの走行電力を充電可能です。

また、車両のデザインにはモジュール生産方式が採用され、車両間の特殊な連結構造も特徴の一つです。ブレーキシステムは3種類が実装されており、異なる走行条件に応じて効率的な制動を可能にしています。

外観のデザイン

Urbos電車の外装にはアルミニウム合金が使用されており、流線形状の先頭部が目を引きます。運転室には曲面ガラスが採用されており、LED行先表示器が上部に設置されています。左側には監視カメラも配置され、乗客の安全を確保しています。車両の側面にはプラグドアを採用しており、手動で開閉できる仕様は省エネとバリアフリーを実現しています。

内装の特徴

内装は明るい色調で統一されており、全体的に快適な雰囲気が漂います。座席も人体工学に基づいて設計されており、優先席はライトグリーンで区別化されています。吊革はゴム素材で作られており、乗客が掴みやすい設計になっています。

編成と配属

現在、高雄捷運Urbos電車は全編成が前鎮機廠に配属されています。また、高雄周辺では特別なラッピング車両も運行されており、地域の特色を活かした趣向が施されています。

まとめ

高雄捷運Urbos電車は、台湾のモダンな公共交通機関として、そのデザインや技術において革新性を示しています。今後、国産製品の採用も進められる予定であり、更なる発展が期待されています。

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