髙塚信幸

髙塚 信幸（たかつか のぶゆき）

1979年8月2日、和歌山県和歌山市に生まれる。元プロ野球選手であり、引退後は異分野での活動を経て再び野球界に関わるなど、多彩な経歴を持つ人物である。

幼少期から高校時代

小学校に入学してすぐに野球を始め、当初は捕手としてプレーしていた。中学時代は地元の硬式野球チームである和歌山シニアに所属し、この頃から投手へと転向する。

高校は野球の名門、智辯和歌山高等学校に進学。2年生になる頃にはエースとしての地位を確立する。特に1996年春の第68回選抜高等学校野球大会では、チームの中心投手として大車輪の活躍を見せた。大会期間中、合計5試合のマウンドに上がり、最速140km/hを超える威力あるストレートとカーブを巧みに操り、チームを決勝まで導いた。しかし、準々決勝を含む大会後半の4試合は4日連続登板という極めて過酷な日程であり、特に準々決勝では延長13回を一人で投げ抜く完封勝利を収めるなど、孤軍奮闘の投球が続いた。疲労の色濃い中で迎えた決勝戦では打ち込まれ、惜しくも準優勝に終わる。

この選抜大会直後に開催された第2回AAAアジア野球選手権大会にも日本代表として出場。中国戦で完投勝利を挙げ、台湾戦にも登板したが、この連投が祟り右肩を痛めてしまう。同年夏の第78回全国高等学校野球選手権大会にも智辯和歌山は出場するが、髙塚は肩の故障が響き、一度も登板する機会を得られなかった。この大会を境に、肩の故障はより深刻なものとなった。

翌1997年夏の第79回全国高等学校野球選手権大会では、チームは悲願の全国制覇を達成する。しかし、髙塚自身はかつてのエースとしての輝きを取り戻すことはできず、初戦となった2回戦に先発するも立ち上がりを攻められて降板。以降は怪我の影響もあり、主に代打として出場することが多くなった。高校通算では投手ながら6本塁打を記録している。

プロ野球選手時代

高校卒業後は社会人野球に進む予定であったが、母校の練習で打撃投手を務めていた際に、その潜在能力を見抜いたプロ球団のスカウトの目に留まる。そして、1997年度のドラフト会議において、大阪近鉄バファローズから7位指名を受け、プロ入りの道を歩むこととなった。しかし、入団時点で既に深刻な右肩の故障を抱えていた。

プロ1年目の1998年シーズンは、怪我のリハビリに大半の時間を費やすことになる。故障が回復に向かった2年目の1999年シーズンには、ファーム（二軍）で先発ローテーションの一角を担い、5勝を挙げるなど復調の兆しを見せた。しかし、2000年シーズンには一軍はおろか二軍でも勝利を挙げることができず、投手の道を断念。

翌2001年シーズンからは、登録を内野手へと変更し、ポジションも内野手兼捕手として新たな挑戦を始めた。しかし、怪我やポジション転向の壁は厚く、プロの一軍公式戦に出場することは叶わなかった。

2003年シーズンの終了後、球団から戦力外通告を受け、現役生活に終止符を打った。トライアウトは受けていない。

引退後の活動

プロ野球引退後、髙塚は野球とは全く異なる世界に身を投じる。京都で料理の修業を積んだ後、2005年からは兵庫県洲本市にある妻の実家が経営する寿司屋で寿司職人として勤務を開始した。

寿司職人として新たな人生を歩んでいたが、野球への情熱が再び彼を野球界へと引き戻す。2019年4月には、日本野球連盟（JABA）に新規加盟した社会人クラブチーム「徳島アストロズ」のゼネラルマネージャー（GM）に就任。選手育成やチーム運営に携わり、野球界の発展に貢献している。

詳細情報

背番号: 66 (1998年 - 2003年)

関連項目

中谷仁、喜多隆志（智辯和歌山高校時代のチームメイト）
大阪近鉄バファローズ

参考文献

各種野球関連資料、スポーツニュース記事

もう一度検索