鬱州

鬱州（うつしゅう）は、かつて中国に存在した州であり、現在の広西チワン族自治区貴港市を中心とする地域に相当します。

魏晋南北朝時代

鬱州の前身は、南北朝時代の南朝梁によって設置された定[[州]]です。定[[州]]は設置後まもなく南定[[州]]と改称されました。この時代は中国が分裂と統一を繰り返した激動の時代であり、地方行政区画も頻繁に変更されました。

隋代

589年に隋が南朝陳を滅ぼし中国を統一すると、行政区画の再編が行われました。590年（開皇10年）、南定[[州]]は尹州と改称され、さらに606年（大業2年）には鬱州と改名されました。607年（大業3年）には郡県制が施行され、鬱州は鬱林郡と改称され、その下に12県を管轄する広大な地域を治めることとなりました。隋代における鬱州、すなわち鬱林郡の行政区分は、当時の行政制度を知る上で重要な情報源となります。

唐代

隋末唐初の混乱期を経て、621年（武徳4年）、唐が蕭銑を平定すると、鬱林郡は大規模な再編を受けました。その結果、鬱林郡は複数の州に分割され、南尹州（後の貴州）、簡州（後の横州）、南方州（後の澄州）、繡州、南晋州（後の邕州）といった新しい行政区画が誕生しました。この分割により、鬱州という名称は歴史の表舞台から姿を消すことになりました。この分割は、唐朝による地方統治の強化と、より効率的な行政運営を目指したものであったと考えられます。

鬱州は短期間しか存在しませんでしたが、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で重要な事例と言えるでしょう。その名称は変わっても、その地域は歴史の中で様々な役割を担い、現代の広西チワン族自治区の一部として発展を続けています。

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