鬼平犯科帳 (丹波哲郎)

テレビ時代劇『鬼平犯科帳』について

『鬼平犯科帳』（おにへいはんかちょう）は、1975年4月2日から1975年9月24日までの期間、NETテレビ（現在のテレビ朝日）で放映された時代劇ドラマです。主演は丹波哲郎で、彼が演じる長谷川平蔵が主軸となる物語が進行します。この作品は、『鬼平犯科帳'75』としても知られており、観る者に緊張感と興奮を提供しました。

作品の概要

このシリーズは、NET（テレビ朝日）と東宝の共同制作によるもので、実は『鬼平犯科帳』の3番目のシリーズなのです。初の映像化は1969年に行われ、その際は8代目松本幸四郎が長谷川平蔵役にキャスティングされましたが、それから6年後にようやく丹波哲郎が2代目平蔵役に抜擢されました。

オープニングテーマには、以前の作品で使われたメロディを基に新しい編曲が施され、コーラスも加わることで一新されました。また、オープニングでは丹波の顔を模した切り絵風のアニメーションが印象的で、視聴者の目を楽しませました。制作側はこの新しい映像を通じて、視聴者に昔ながらの時代劇の魅力を伝えようとしたのです。

興味深い点として、このシリーズでは原作小説に基づく新作が多数書かれていたため、多くの話が初めて映像化されたものでした。物語にはさまざまな登場人物が絡み合い、長谷川平蔵の活躍が描かれる中で、彼の敵や仲間たちが織りなすストーリーが展開していきました。

主なキャスト

本作には多くの俳優がキャスティングされており、主役の長谷川平蔵役には丹波哲郎が、頼もしい木村忠吾役には古今亭志ん朝が務めました。また、沢田小平次役には藤森達雄や、酒井祐助役には本郷功次郎が名を連ね、キャストが作品に深みを与えています。その他にも、岡田映一、小泉博、野際陽子など、豪華なキャスト陣がそれぞれの役割を全うしました。

スタッフと制作

本作の原作は池波正太郎が手掛けており、監督や脚本、ナレーション、音楽など様々な才能が結集しました。ナレーションは中江真司が担当し、音楽は山下毅雄が担当しました。プロデューサーとしては宮崎慎一（NETテレビ）、市川久夫、石井幸一（共に東宝）が名を連ね、制作チームは作品のクオリティを高めるため力を尽くしました。

映像の撮影は宇野晋作が担当し、美術は斎藤嘉男が手がけました。これにより、時代背景やキャラクターの独自性が際立つ映像が生み出され、視聴者に強い印象を与えました。特に、殺陣を担当した宇仁貫三によるアクションシーンは、目を引くものでした。

作品の放送

『鬼平犯科帳』は水曜日の21:00から21:55まで放送され、他の局での再放送も実施されました。特に北陸放送では、月曜日の23:20からの放送が行われました。

この作品は現在も多くの時代劇ファンに愛され続けており、丹波哲郎による長谷川平蔵の魅力をあらためて感じることができます。視聴者に新しいストーリーを楽しませつつ、原作の価値を伝えることに成功した『鬼平犯科帳'75』は、時代劇の中でも特に評価が高い作品として記憶されています。

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