宇仁貫三

宇仁貫三について

宇仁貫三（うに かんぞう）は1940年11月21日に兵庫県尼崎市で生まれ、2019年1月10日に肺癌により78歳で亡くなった。彼は日本の殺陣師としてだけでなく、俳優としても広く知られており、映画や舞台で多くの作品に参加してきた。彼のキャリアは、若い頃からの厳しい修行と多くの経験に裏打ちされている。

経歴の始まり

高校を卒業した後、宇仁は宝塚映画製作所に入り、俳優としての基礎を固めた。その後、映画界でのキャリアを展開する中で、著名な監督である黒澤明の映画にも出演し、さらに殺陣師の久世竜の弟子としての道を歩むこととなる。三船プロダクションに所属した後、彼は独立し、時代劇と現代劇の両方で活躍を続けた。剣道と居合道の腕前も持ち合わせており、その技術は彼の業務に大きな影響を及ぼした。

影響と弟子たち

彼の弟子には、寺島進がいる。宇仁は自身の門下生たちに多くの技術を教え、次世代の殺陣師たちに影響を与えてきた。長年にわたって東京での撮影所での仕事が多かった宇仁だが、やがて東宝の高瀬昌弘監督が松竹京都で製作する「鬼平」の撮影に際し、彼を呼び寄せた。このことで、「太陽にほえろ!」や「江戸シリーズ」などの名作でもその技術が活かされ、松竹撮影所での作品においても重要な役割を果たしていくこととなった。

スケジュールと努力

宇仁のキャリアの中で、特に全盛期にはスケジュール調整が非常に難航したという。制作が用意したヘリコプターを利用して京都間を移動したこともあり、その忙しさを物語っている。

出演作品

映画界における彼の代表作の一つは1968年の「斬る」で、この作品を通じて彼の殺陣技術が強く印象付けられた。また、テレビドラマでも活動を広げ、2002年の「盤嶽の一生」や2004年の「剣客商売」などに出演し、視聴者にその存在を認識させた。

人間関係の重要性

宇仁は三船敏郎と非常に親しい関係を築き、彼の晩年まで共に活動した。殺陣の撮影中には、三船の目の鋭さと迫力に圧倒され、なかなか剣を振るえないというエピソードも残っている。彼らの関係は、互いに影響を与え合うものであり、宇仁のキャリアにおいても大きな支えとなっていた。

最後の日々

宇仁貫三は、その華やかなキャリアを経て2019年1月にこの世を去った。彼の死は映画や舞台の世界において大きな損失であり、彼が残した功績は今後も語り継がれていくことでしょう。彼の技術と情熱は多くの人々に影響を与え、俳優や殺陣師たちの模範であり続けています。

もう一度検索