魔法の黄色い靴

「魔法の黄色い靴」（まほうのきいろいくつ）

「魔法の黄色い靴」は、日本のバンドチューリップのメジャーデビューシングルであり、財津和夫が作詞・作曲を担当しました。この曲は1972年6月5日に東芝音楽工業からリリースされ、彼らの音楽キャリアにおける大きな一歩となりました。

デビューの背景

1972年、財津和夫はメンバーと共に福岡から上京し、チューリップは念願のメジャーデビューを果たしました。彼らのデビュー曲である「魔法の黄色い靴」は、通常のレコーディング時間を大きく超え、16時間もの長時間をかけてレコーディングされたという珍しい経緯があります。この手間暇がかかった作品は、業界内で評価を受けるも、残念ながら地元・福岡以外では広く知られるには至らず、全国的なヒットには結びつきませんでした。

時の経過と共に、発売当初の売上はわずか2,000枚に留まりましたが、ライブパフォーマンスでは長く演奏されるエンディング曲として定着しました。B面に収録された「ハーモニー」もライブで多く演奏されるなど、今ではファンの間でも愛される楽曲となっています。

「魔法の靴」の象徴

財津和夫にとって「魔法の靴」は、特別な意味合いを持つキーワードの一つです。この楽曲はその後の彼の作風にも影響を与え、後の作品の中にも度々登場します。例えば、「人生ゲーム」（アルバム『無限軌道』収録）や「Well (Mr.Good-by)」（『Well』に収録）などがその例です。

時を超えた評価

発売から20年以上が経過した1993年には、この曲がダイドーの「ブレンドコーヒー」CMソングに選ばれるという栄誉を受けました。これにより新たなリスナーにも届き、再評価されるきっかけとなりました。また、2002年にはチューリップの半生を描いたミュージカルのタイトルにも採用され、著名なキャストが登場することでも話題となりました。このミュージカルには山本耕史、河相我聞、遠山景織子などが出演し、財津自身も舞台監修を務めています。

収録内容の詳細

1972年版

• - 作詞・作曲：財津和夫
• - 収録曲:

- 「魔法の黄色い靴」
- 編曲：木田高介・チューリップ
- 「ハーモニー」
- 編曲：青木望・チューリップ

1993年版

このシングルは1週間後に発売されるベスト・アルバム『恋・恋愛・愛』の先行シングルとしても位置づけられ、再び多くのリスナーに親しまれることとなりました。1993年版の収録曲は以下の通りです。

• - 収録曲:

-「魔法の黄色い靴」
-「虹とスニーカーの頃」
-「青春の影」

このように「魔法の黄色い靴」は、ただのデビュー曲にとどまらず、チューリップを象徴する重要な楽曲となり、彼らの音楽の礎を築いた作品として記憶されています。

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