魔犬ライナー0011変身せよ!

『魔犬ライナー0011変身せよ!』

『魔犬ライナー0011変身せよ!』（まけんライナーゼロゼロワンワンへんしんせよ!、英題：Go Get Team 0011）は、1972年の夏に公開された東映アニメーションの長編映画です。本作は「東映まんがまつり・へんしん大会」の一環として製作され、ジャンルとしてはSFアドベンチャーに位置づけられます。映画の上映時間は50分で、色彩はカラースコープフォーマットを使用しています。

制作背景と企画意図

本作は、当時の日本で人気を博していた「変身ブーム」を受けて、東映が新たな試みを行った結果生まれた作品です。特に、前年に放送された『仮面ライダー』が引き起こしたこのムーブメントに着目し、夏の興行では「へんしん大会」と名付けられたプログラムが組まれました。このイベントでは、実写作品『仮面ライダー対じごく大使』がメインで、新たな変身キャラクターが数多く登場しました。

原案は、笹川ひろしによる『魔犬五郎』ですが、本作は『サイボーグ009』の影響を受けた構造を持ち、キャラクターたちの能力設定がそれに類似しています。キャラクターの内訳には、透視力を持つ「エース」、火炎攻撃をする「ジャック」などが含まれ、多様な能力が観客を引き込む要素となっています。

ストーリーの概要

物語は1980年代が舞台で、地球を侵略しようとする昆虫型宇宙人「デビル星人」が登場します。科学者の林博士は、自身の研究所を襲撃された際に命を落としてしまいますが、彼はその前に息子のツトムに四匹の犬をサイボーグ化して託けていました。このサイボーグ犬たち、すなわち「ライナー」を駆使することで、ツトムはデビル星人に立ち向かうというストーリーが展開されます。

キャラクターとキャスト

主要な登場キャラクターには、ツトムを演じる里見京子や、林博士を演じる山内雅人など、魅力的なキャストが揃っています。特に、サイボーグ犬たちの個性豊かな演技が光ります。エースやジャックはそれぞれ、声優として有名な野沢雅子と松島みのりが担当し、彼らのユニークなキャラクターが忠実に表現されています。

制作スタッフと音楽

製作には高橋勇が名前を連ね、脚本は辻真先と芹川有吾が共同で執筆しました。音楽を担当したのは、山下毅雄であり、彼の楽曲は作品の雰囲気を引き立てます。特に主題歌「ゴー！ゴー！ライナー」は、観客を盛り上げる重要な役割を果たしています。

リリースと評価

本作は2010年にDVDソフトとして再リリースされ、多くのファンに親しまれています。また、2023年にはオリジナル・サウンドトラックが発売されるなど、作品への関心は今なお続いています。映画には独自の魅力があり、特に変身ヒーローを中心とした冒険が展開されるため、アニメファンはもちろんのこと、当時を知る世代にも支持されています。

このように、『魔犬ライナー0011変身せよ!』はその独自の世界観と登場キャラクターによってアニメの歴史の中で特別な位置を占める作品です。

もう一度検索