芹川有吾

芹川有吾：日本アニメーションの先駆者

芹川有吾（せりかわ ゆうご）は、1931年6月26日に東京都小石川区水道町で生まれ、2000年10月4日に脳梗塞で逝去した、日本のアニメーション演出家、脚本家、そして映画監督です。父は東京シネマ商会の会長を務めた芹川政一。浜田稔、山中肇、金子健といったペンネームも使用していました。

映画界からアニメーションの世界へ

映画人の家庭に育った芹川は、新東宝で助監督としてキャリアをスタートさせ、並木鏡太郎や中川信夫といった監督に師事しました。渡辺邦男の早撮り技術も学んだといいます。ウォルト・ディズニーの『バンビ』に感銘を受け、アニメーションの世界に魅せられた芹川は、『白蛇伝』を制作した東映動画（現・東映アニメーション）に入社を決意します。

東映動画における功績

芹川の初監督作品は、1963年に公開された『わんぱく王子の大蛇退治』でした。この作品は、内容的な評価も高く、東映動画に本格的な演出を持ち込み、「監督」という職制を確立した歴史的作品として知られています。それ以降、テレビアニメ時代においても、東映動画の中心的な演出家として活躍し、劇場版からテレビアニメまで、ロボットアニメ、少女向けアニメ、ギャグアニメなど、幅広いジャンルの作品を手がけました。飛行機マニアであった彼は、作品に空撮映像を取り入れるなど、独自のこだわりも見せています。

幅広いジャンルでの活躍

芹川は、『魔法使いサリー』の2作目を最後に、1991年6月に東映動画を定年退職。その後はフリーランスとして活動しました。

彼の代表作は多岐にわたります。

テレビアニメ:
狼少年ケン
魔法使いサリー
ピュンピュン丸
おらぁグズラだど
サイボーグ009
もーれつア太郎
昆虫物語 みなしごハッチ
魔法のマコちゃん
さるとびエッちゃん
マジンガーZ
魔女っ子メグちゃん
カリメロ
キャンディ・キャンディ
銀河鉄道999
ゲゲゲの鬼太郎（第3作）
アニメ映画:
わんぱく王子の大蛇退治
サイボーグ009

これらの作品は、日本のアニメーション史において重要な位置を占めており、多くの人々に感動と興奮を与えました。

年譜

1950年 - 独協高等学校卒業。
1954年 - 早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒業。
1954年4月1日 - 新東宝企画文芸部に入社。
1956年4月1日 - 新東宝助監督部に移勤。
1959年4月1日 - 東映動画（現・東映アニメーション）製作部に演出助手として入社。
1962年4月1日 - 東映動画のアニメーション映画監督となる。
1991年6月20日 - 東映動画を定年退職。
* 2000年10月4日 - 脳梗塞のため死去。

芹川有吾は、日本のアニメーションの発展に大きく貢献した人物として、その名が刻まれています。彼の作品は、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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