魔訶責経
『魔訶責経』の概要
『魔訶責経』（まかしゃくきょう）は、パーリ仏典の経蔵中部に位置づけられる第50経であり、別名『降魔経』として知られています。また、同様の内容を持つ漢訳経典として、心の深化を促す『中阿含経』や『魔嬈乱経』、『弊魔試目連経』なども存在します。
この経典は、主にモッガラーナ（目連）という重要な仏教の聖者と、彼の過去の歴史に関連する悪魔パーピマンとの対話を描いています。物語の核は、モッガラーナが自身の前世について語りながら、パーピマンに対して教訓を与えるという形を取っています。
登場人物
この経典には以下の二人の主要な登場人物がいます。
物語の舞台
物語は、バッガ国のスンスマーラギラにあるベーサカラー林での鹿野園を舞台に展開します。ある日のこと、モッガラーナが経行を行っている最中、悪魔パーピマンが突然彼の内側に侵入します。この瞬間から、モッガラーナは自身とパーピマンの過去の関係について語り始め、悪魔に対して教えを説くというストーリーが展開されていきます。
経典の内容
モッガラーナは、パーピマンに対し自分の前世がドーシンという名前の悪魔であったことを明かします。そして、彼自身がかつては力を持ち、他者を干渉し搾取する存在であったことを告白します。この自己反省の過程を通して、モッガラーナはパーピマンに対して、道徳的な生き方や自己修行の重要性を伝えていきます。
さらに、モッガラーナは、悪に対抗する心の持ち方や、誤った方向に進むことの危険性を改めて説きます。これにより、パーピマンは徐々に心を開き、苦悩の根源を明らかにする内容が続きます。
日本語訳と参考文献
この経典の日本語訳は複数あり、その中には『南伝大蔵経・経蔵・中部経典2』や『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）根本五十経篇II』、さらに『原始仏典 中部経典2』が含まれます。すべての翻訳が、経典の持つ大切なメッセージを伝えるために努力され、現代の我々にも多くの教訓をもたらしています。
脚注と出典
この経典を理解するためには、経典の背景や関連文献に目を通すことが非常に重要です。さまざまな解釈を通じて、仏教の教えや倫理観を深く学ぶことができるでしょう。
関連項目
- - 鹿野園：モッガラーナの修行の場として重要なロケーション。
外部リンク
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