目連

目連（もくれん）の生涯と教え

目連は古代インドの修行僧で、釈迦の十大弟子の一人として名を馳せています。彼はサンスクリットで「Maudgalyāyana」、パーリ語では「Moggallāna」と表記され、「菜茯根」「采叔氏」などの意訳もあります。どちらかと言えば「目連」という呼称が一般的ですが、正確には「目犍連（もくけんれん）」と呼ぶべきです。神通力に秀でた彼は「神通第一」と称され、釈迦の直弟子の中でも舎利弗と並ぶ重要な存在として位置づけられています。

生い立ちと出家の決意

目連は王舎城の北に位置する拘利迦村のバラモン家庭に生まれ、幼少期から容姿端麗で学問に秀でていたと言われています。彼は隣の村に住む舎利弗と親しく、二人は共に出家の決意を固めました。最初は500人の仲間と共に懐疑論者サンジャヤに弟子入りしましたが、まもなく満足できず、新たな師を探す旅に出ます。舎利弗がアッサジ比丘に出会い、釈迦の教えに触れたことがきっかけで、目連も彼に続いて釈迦の弟子となることが決まりました。

教団の長老としての活躍

目連は後に悟りを開き、教団の長老として様々な地域を訪れ、釈迦の教えを広めました。彼は神通力を駆使し、釈迦の教えを妨げる存在を退けたり、異端者を追放するなど、数々の功績を残しました。しかし、その神通力のために逆に迫害を受けることも多く、特に六師外道の一派から執拗な攻撃を受けることがありました。

臨終の伝説

釈迦の涅槃に際した目連の臨終には、興味深い伝説があります。彼と舎利弗は、釈迦の涅槃を予感し、共にその時を迎える準備を整えていました。目連は食物を求めて外に出た際、中でも外道の一団に囲まれ、命の危機にさらされましたが、神通力を使って逃れました。この時の彼の行動は、彼の業が重いとの思いから、神通力を用いなかったためでした。彼の死は、過去世の悪業の報いであるとの説も残されています。

目連と盂蘭盆の逸話

目連が亡くなった母親を救おうとする物語は特に有名で、これが日本のお盆行事の基となったとされています。目連は天眼を使って母親が天上界にいるか確認しましたが、実際には餓鬼界に堕ちて苦しんでいました。供物を捧げても燃え尽きてしまい、困り果てた目連は釈迦に助けを求めました。釈迦は彼に救済の秘法を授け、目連がその教えに従ったことで母親を救うことができました。

まとめ

目連はその生涯を通じて、釈迦の教えを広めるだけでなく、神通力を用いて多くの人々を助けた修行僧です。彼の伝説と教えは、今なお多くの人々に影響を与え続けています。また、彼の母親を救おうとした話は、盂蘭盆の由来ともなり、仏教文化の重要な一部として広く認知されています。

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