魹ヶ埼灯台

魹ヶ埼灯台の概要

魹ヶ埼灯台は、岩手県宮古市にある重茂半島の東側に位置し、本州の最東端を示す重要な灯台です。正確な位置は北緯39度32分54秒、東経142度04分19秒で、魹ヶ埼大根照射灯が付属しています。この灯台は「魹」という漢字が特異なため、時には「トドヶ埼灯台」とも表記されることがあります。

灯台の特徴

魹ヶ埼灯台は、特に北海道方面への航路において、大きな視認性を誇ります。その光は三陸海岸の灯台の中でも特に明るく輝き、南からこの灯台を越えると、すぐに開けた宮古湾が目の前に広がります。夜になると、湾奥には美しい宮古市の夜景が広がり、訪れる人々を魅了します。また、1957年に公開された映画『喜びも悲しみも幾歳月』は、この灯台で生活していた灯台守の妻、田中キヨの手記を基にしています。魹ヶ埼灯台は、日本の灯台50選にも選ばれています。

歴史の歩み

魹ヶ埼灯台は1902年に初点灯し、鉄骨構造で造られました。当初は霧笛も設置され、音での航行支援も行っていました。時が経つ中で、燭光数の変更を経て無線方位信号所の業務も開始されましたが、1945年には太平洋戦争により一時破壊されました。その後、仮灯の点灯や復旧作業を経て、1950年に新たにコンクリート造の灯台が完成しました。その後、1951年からは海上の船舶に気象通報を行うなど、さまざまなサービスを提供し続けています。

現代の管理とアクセス

現在、魹ヶ埼灯台は宮古市の職員による管理が行われ、1996年には完全自動化されて無人灯台となりました。しかし、2011年の東日本大震災で損傷を受ける事態も経験しました。アクセスについては、灯台までの道路は整備されておらず、姉吉キャンプ場から自然歩道を約3.8キロメートル徒歩で進む必要があります。この道は標高110メートルまで急坂を上り、その後は平坦な道が続きますので、しっかりとした対策が求められます。

また、灯台周辺にはトイレが設置されているため、訪れる際には利用が可能です。野生動物、特に熊が出没する地域ですので、安全対策を確実に行ってから訪れることが推奨されます。魹ヶ埼灯台はその美しい景色と歴史的背景から、多くの人々に訪れられる美しいスポットとなっています。

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