鳥取県道・兵庫県道72号若桜下三河線

鳥取県道・兵庫県道72号若桜下三河線

鳥取県道および兵庫県道の主要地方道である若桜下三河線（わかさしもみかわせん）は、鳥取県八頭郡若桜町の岩屋堂を起点とし、兵庫県佐用郡佐用町の下三河へ至る路線です。

路線概要

この県道は、鳥取県八頭郡若桜町岩屋堂の国道29号との交差点を出発点とします。終点は、兵庫県佐用郡佐用町下三河にある下三河交差点で、ここでは兵庫県道53号宍粟下徳久線に接続します。路線の全体的な長さを示す実延長は、約35キロメートルです。

特筆すべき点として、本路線には自動車による通行が不可能な区間が存在します。具体的には、鳥取県八頭郡若桜町吉川から兵庫県宍粟市千種町西河内までの間が該当し、県境を越える江浪峠周辺が含まれています。

歴史

本路線が主要地方道として指定されたのは、1976年（昭和51年）4月1日のことです。これは当時の建設省（現在の国土交通省）による指定でした。その後、1977年（昭和52年）8月30日には、兵庫県によって主要県道72号若桜南光線として認定されています。1993年（平成5年）5月11日には、建設省から再び主要地方道として位置づけられました。

現在の「若桜下三河線」という名称に改称されたのは、2006年（平成18年）のことです。これは、同年3月31日の鳥取県告示第202号および4月1日の兵庫県告示第418号の2に基づいています。この名称変更の背景には、前身路線である鳥取県道・兵庫県道72号若桜南光線の終点であった兵庫県佐用郡南光町が、上月町・佐用町・三日月町との対等合併により廃止され、新たな佐用郡佐用町が設置されたことがあります。

前身である若桜南光線時代には、県道の路線番号にいくつかの変遷が見られました。1972年から1977年までは鳥取県道12号および兵庫県道119号、1977年から1982年までは鳥取県道38号および兵庫県道72号、そして1982年（施行は1984年）から1994年までは鳥取県道4号および兵庫県道72号として指定されていました。

路線状況

この県道の一部区間では、他の国道や県道との重複が見られます。具体的には、兵庫県宍粟市千種町の千草交差点から黒土にある室橋東詰交差点にかけての区間は、国道429号と経路を共有しています。

路線の沿線には、休憩施設として「道の駅ちくさ」が設置されており、利用者にサービスを提供しています。

地理

若桜下三河線は、鳥取県八頭郡若桜町を出発し、兵庫県に入って宍粟市を経由し、終点の佐用郡佐用町に至ります。これらの自治体を通過する形で東西に延びています。

主要な接続道路としては、起点で国道29号、終点で兵庫県道53号宍粟下徳久線と交差するほか、途中では重複区間として国道429号と接続しています。

鳥取県と兵庫県の県境付近には江浪峠があり、前述の通り自動車の通行は不可能な区間となっています。

沿線には、自然景観や地域施設が点在しています。これには、兵庫県立千種高等学校、宍粟市役所の千種市民局、佐用町役場の三河出張所などの行政・教育施設のほか、千種川の流れ、不動院岩屋堂、三百田氏住宅（若桜郷土文化の里の一部）、ちくさ高原、鍋ヶ谷渓谷、三室高原、たたらの里学習館、南光坊瑠璃寺、船越山モンキーパークといった観光・文化施設や自然スポットが含まれます。

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